広報講演録
第58回適塾路地奥サロン
街場の建築を開く
講師:香川 貴範 氏(SPACESPACE一級建築士事務所代表)、岸上 純子 氏(SPACESPACE一級建築士事務所共同主宰)
日時:2023年10月6日(金)18:30~
場所:アルパック大阪事務所 大会議室+オンライン開催

第58回の適塾路地奥サロンでは、SPACESPACE一級建築士事務所の香川貴範氏と岸上純子氏をお招きし、「街場の建築を開く」というテーマでご講演していただきました。
講演では、『キノコハウス』や『庭の形』、『SPACESPACE HOUSE』などのこれまでお二人が手掛けた作品を例に挙げながら、どういった視点で建築を設計しているのかを教えていただきました。中でも、興味深かったのは、「行動を規制するものが、ある制限を外れると、新たな行動を誘導する」という視点でした。建物を設計する際の条件を様々な視点で見ていくと、一見マイナスに見えるようなことも違う側面ではプラスの面で見ることができるなど、しっかりと周辺の環境や街を読み解くことがカギであることを教わりました。また、お二人は建物が「どのような都市のシーンを生み出してくれるのか」という視点も大事にして、設計しているともおっしゃっていました。その中で、「街場の建築を開く」効果的な仕掛けは、ファサードを街に開放するような大胆なものばかりではなく、人々の行動を誘発させるようなヒューマンスケールの細かな仕掛けも重要であるとおっしゃっていたのが印象に残りました。
そして、最後におっしゃっていた「お金を使わないと楽しめないのはつまらない都市空間」というお話には私自身もとても共感し、まちづくりに深くかかわる立場にいる者として、人々にとって良い都市空間とはどういうものか改めて考える良い機会になりました。
(石橋昂大)