INTERVIEW戸田 幸典

地域再生デザイングループ
平成27年度入社

異色の経歴の持ち主と言っていいだろう。高校生の時から非営利団体に興味を持ち、大学時代はキャンパスをよくする活動に打ち込み、卒業後はNPOの有給スタッフ、公益財団法人を自ら立ち上げ、専務理事、事務局長として運営に携わった。
非営利団体の経営10年を節目にアルパックに転職した、地域再生デザイングループ 戸田幸典。その経歴をまちづくりにどう活かそうと考えているのか、語ってもらった。

空き家とニュータウン。
日本が抱える大きな問題です。

私が所属するのは地域再生デザイングループの生活デザインチームで、「住宅政策」「福祉政策」「住宅地の再生」をメインにしています。
いまいちばん大きな問題となっているのは「空き家」です。空き家問題に対して国が法律を定めてから、地方自治体でも対策が始まりました。私が担当するのは関西と中国の4自治体。計画づくりをサポートするのが主な仕事で、そこから一歩進んでマッチング機能や事業創出、地域づくりに関わっています。

ニュータウン再生も全国的な問題です。かつて同時期につくられたニュータウンが一斉に人口減、高齢化に悩まされています。まずは1年目にに住民の方々を交えて計画、ビジョンをつくり、2年目にそれを実行していくためのワーキンググループや通信網をつくり、少しずつ前にすすめていくお手伝いをしています。

株式会社なのに、非営利団体と
同じ空気を感じました。

NPO時代は、中間支援と言って、他のNPOを支援する活動をしていました。まちづくり全般に関わるNPOの支援です。NPOは資金難のところが多く、日本には寄付文化もありません。そこで公益財団法人をつくり、寄付を募り、基金を立ち上げたのです。市民がお金を出してつくられた財団です。

アルパックとは財団時代に一緒に仕事をしていました。仕事の付き合いを通じて、価値観が同じだと感じたんです。住民や自治体の考えを大切にしながらいいまちをつくる。それが第一優先事項で利益はその次。アルパックはNPOや財団のような非営利団体ではなく、株式会社なのに、です。

たまたまプライベートでまちのコミュニティづくりに関わることがあり、アルパックの仕事に興味を持っていた時期に募集があり、「僕はどうでしょう?」と手を上げて転職を決めました。もちろん会社ですから利益を上げることは重要ですし、入社後は上司から利益について言われたこともあります。しかし、以前の職場と空気は変わらず、なにも違和感がなく働くことができています。
これまで培ってきた経験値は大切にしたいし、仕事に活かしたいと思っています。たとえば、お金のこと。私は事業をしていたので決算書を読むことができます。これは社内でもできる人がまだまだ少ないスキルです。あとは、人を動かすことでしょうか。他のグループが京町家の案件を進めているのですが、京町家約45,000軒の調査を行うため、調査員のコーディネーターとして、そのグループに呼ばれました。最適なシフトを組み、毎日大勢の人を動かす。これも以前の経験が生きています。

まちづくりで人の意識が変わっていく。
そこに立ち会えるのが楽しいですね。

まちづくりは住民の方々といっしょに進めていくのですが、最初は行政に文句を言う人が多いんです。まちの問題は行政の責任だと。しかし行政だけで解決できる問題ではないとわかってくると、まちづくりのプロセスに積極的に関わるようになってきます。するとだんだん、住民の雰囲気が変わってくる。そしてまちの雰囲気も変わってくるんです。まちを変えるのは建物ではなく、人の変化です。そこに寄り添えるのが何より楽しいですね。やってよかったと思える瞬間です。
ただ、まだまだ知識、経験が足りないところもあります。都市計画に必要なデータを見つけ出し、適切に処理をするスキルです。経験を積めばデータのあたり方、がわかってくると思うのですが、いまは先輩に助けてもらっている状態です。まちづくりにあたって、現状はどうなっているのか、将来はどう予想されるのか。明確な根拠がないとただの思いつきの仕事になってしまいます。まちを客観的に捉える技術、それを磨いていきたいですね。

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