アルパックニュースレター190号
西宮住まいづくりWS発表会を開催しました
大学生が多いまち 西宮
兵庫県西宮市は昭和38年に「文教住宅都市宣言」を行い、良好な住宅地と恵まれた教育環境を活かしたまちづくりを進めています。そんな西宮市内に現在、大学が何校あるか皆さんご存じですか?あまり知られていませんが、西宮市内には現在9つの大学があり約37,000人もの学生が様々な分野について日々学んでいます。
大学生が住みよいまちを考える
西宮市では、平成22年度に作成した住宅マスタープランを推進するため、毎年、市民、NPOや事業者等を対象としたワークショップを開催しています。今年度は「学生のすまい」をテーマに、主に市内の大学に所属する学生に参加してもらい、学生が夢・希望を実現するための暮らし・住まい方について検討するため、4回に渡ってワークショップを開催しました。
4回のワークショップを通して学生が提案してくれた内容は、2月22日に西宮市役所で開催された住まい活用シンポジウム「空き家など住まいストックを活用したまちづくりの可能性」で発表されました。
![]() ワークショップの様子 |
![]() ワークショップの様子 |
大学生が想い描く自分達の夢や希望を実現する暮らし・住まい方とは
ワークショップには17人の学生とNPOや事業者が参加し、最終的に以下の4つの提案がまとまりました。
提案その1
“No Border”な住まいの提案 ~西宮でグローバルに暮らす~
西宮市内にある大学の学生寮が「留学するなら西宮」のコンセプトのもと語学習得などグローバルを意識した特色を出し、学生は市内の大学寮であればどこでも好きなところに入寮できる。
提案その2
あきやどかり
~地域を巡り大きくなる~
地域の空き家を一日借りし、空き家の管理を手伝う代わりに趣味の展示などの拠点として利用することができるようにする。
提案その3
大学生住み込み型~地域(商店街)活性化プロジェクト~
大学生が空き家や空き店舗に住み込み、地域とつながりを作りながらイベントや常設のカフェなどを運営する。
提案その4
Dreams 叶 Room
自己実現や夢の実現のために、1階に情報発信やスキルアップの場として活用出来るスペースを備えたシェアハウス。
これらの提案に共通していることは、単純な「広さ」「安さ」「快適さ」だけが求められているのではなく、大学以外の時間をどのように過ごすかといった「暮らし方」がイメージされるとともに、生活の中で他者との接点を持つことで得られる「成長・夢の実現」に重点が置かれているということです。
今回のワークショップを通して、学生にとって住まいという存在が暮らしの中で薄まるほど、まちや地域とのつながりが強くなったり、自分自身の夢を実現するために、よりアクティブな生活が送れている状態が生まれるように感じました。
今回、大学生から出された提案はどれも非常に面白く、実現することができれば、大学生がこれまで以上に地域や社会との接点を持ち、元気に活動できるまちとなることが期待されます。
そのため、一つでも実現に向かって動き出し、西宮市が大学生にとって、より魅力的なまちになっていってほしいと思います。

住まい活用シンポジウム「空き家など住まいストックを活用したまちづくりの可能性」
アルパックニュースレター190号・目次
ひと・まち・地域
- 被災地から新たな災害復興に向けた取組を考える-建築基準法84条による建築制限について/取締役副社長 堀口浩司
- 京都の中心市街地をデザインする/名誉会長 三輪泰司
- 地域から少子高齢化への対応を考える~その10 空き家問題を考える~/代表取締役社長 森脇宏
- 商店街活性化の担い手継承プロセス~博士論文のご紹介~/持続・魅力のまちづくりチーム 依藤光代
- 松の実保育園分園「社の上」ができました/建築プランニング・デザイングループ 高坂憲治









