アルパックニュースレター192号

天空都市「マチュピチュ」へ~チャスキが走ったインカ道の魅力~

執筆者;地域再生デザイングループ 岡崎まり

  インカ帝国の「幻の天空都市」マチュピチュ。その魅力的なフレーズや写真・映像で見る姿に惹かれ、一度は訪れたいと思う人も多いのではないでしょうか。私もその中の一人で、ついに念願がかなって今年の6月初旬、マチュピチュへ行ってきました。
 マチュピチュに行くためには、まず世界遺産に登録されているクスコに降り立つ必要があります。クスコはインカ帝国時代の首都であり、天空都市と呼ばれるマチュピチュより更に1,000mも高い標高3,400mのところに位置しています。いきなり富士山より高いところに行くため、高山病にかかる人が多いのですが、地元の人はコカ茶を飲んで頭痛等を和らげるそうです。周辺のカフェでは軽い高山病にかかった観光客向けや地元の人向けにコカ茶が振る舞われていました。
 その後、クスコからオリャンタイタンボへ向かい、そこから鉄道に乗ってマチュピチュ村を目指しました。マチュピチュ村からはバスに乗り、山道をのぼると、そこにはずっと憧れていた天空都市の風景が目の前に広がっていました。


マチュピチュ遺跡

 実際にマチュピチュに行ってみると、遺跡に魅了されたのはもちろんのこと、インカ道に興味を惹かれました。インカ道はインカ帝国時代に整備された道路のことで、総延長4万キロにのぼります。帝国を縦走する形で、海岸沿いに1本、山の中に1本の南北方向の幹線道路が配置され、両者を結ぶ形で東西方向に支線が設けられていたそうです。この帝国中に張り巡らされたインカ道には、チャスキと呼ばれる飛脚が配置され、国を統治する上で非常に重要な情報が行き交っていました。
 インカ道の中にマチュピチュへ続く道があるのですが、奇跡的にスペイン人に発見されなかったため、インカ式の石畳の道だけでなく、多くの遺跡が現在も残っています。外国人の観光客にはこのインカ道を3泊から4泊程かけて歩いてマチュピチュを目指すインカトレッキングが人気だそうです。ただマチュピチュ遺跡を見るだけでなく、古代にどのような道を通って、人や物資、情報が行き来したかを体感できるなんて想像しただけでわくわくします。私は今回の旅の中で3泊かけてトレッキングする時間を取ることはできなかったのですが、少しインカ道を歩いて太陽の門(インティプンク)やインカ橋を見て回ることにしました。


インカの道

太陽の門

 日本の集落などを見ていてもそうですが、私は地域の境界線が見え隠れする場所に魅力を感じます。マチュピチュにおいても、絶壁にへばり付くように延びた石積みのインカ道が途中で途切れて丸太が渡されているインカ橋に、外とつながることの重要さと外敵の侵入を防ぐことで独自の文化を守ってきた姿を感じ、一番のお気に入りスポットになりました。それにしてもインカのチャスキはすごい道を走り抜け、情報を帝国中に伝えていたんだなぁ。もう一度マチュピチュに行く機会があれば、今度は必ずチャスキが走ったインカ道をたどってマチュピチュ遺跡を目指したいと思います。


絶壁にかかるインカ橋