アルパックニュースレター193号

ハバナには人々の生きた暮らしがありました

執筆者;都市・地域プランニンググループ 松下藍子

 約半世紀ぶりのアメリカとの国交回復の動きにより、最近テレビや新聞でキューバの国の名前を目にすることも増えてきました。この8月、日本から約20時間かけ、キューバの首都ハバナへと行ってきました。
 気温は日本と同じぐらいでしたが、日本の夏の蒸し暑さとは違い、日差しはとても強いのですが、木陰に入ると涼しく、心地よい風が吹きます。緑はボリュームがあり、花は色鮮やか。ベンチに座り気持ちよさそうにのんびりする人を見かけました。
 キューバには配給制度があり、まちなかには配給所があります。そこで日々の食料を得ることができますが、配給される食材は卵や小麦粉、肉など限られており、量も少なく、それだけで賄うことはできないようです。通りには野菜や果物の並ぶ小さな店が何軒もあり、日常の買い物の光景が見られます。外や家の軒先でエスプレッソを売る女性をよく見かけましたが、出掛けや休憩にちょっと寄って、立って飲むスタイルのようです。味は濃く、びっくりするほど甘いのですが、強烈な日差しの中、たっぷりの砂糖がエネルギーになります。


野菜や果物が並ぶ店頭

木陰のベンチでのんびりする人

 ハバナの中でもオールド・ハバナと呼ばれる旧市街は、スペイン植民地時代の建築物をよく残す地区として世界遺産に登録されています。驚くのはやはりまちなかを走る古いアメリカ車の数々。なんと私の乗ったアメリカ車のタクシーは68年間乗られているとのこと!日本では考えられないですが、キューバでは当たり前に現役で走っているのです。


アメリカ車が走る旧市街地

 観光客がまず訪れるメインの通りには、店舗が並び、広場では楽器が演奏されていたり、オープンカフェで観光客がくつろいでいたりと、多くの人で賑わっています。一本路地を入ると、また違う通りの表情があります。住まいとしての利用が主で、入口に腰かけたりベンチを出して座ったりしている人がいて、どこか静けさがあります。
 キューバの首都ハバナ。物が少ない中でも風土に合った心地よい過ごし方をそれぞれの人が持っていそうです。古い建物だけでも古い車だけでもなく、それらが今も日常の中で使い続けられ、そこで営まれている暮らしが垣間見えることが魅力なのだと思いました。


メイン通りとは異なる風情がある路地