レターズアルパック201号

特集「新しい風」
「サスティナビリティ」への環境マネジメント分野での新たな試み

 近年、グループが取り組んでいる特徴的なプロジェクトの一部を紹介します。
執筆者;環境担当役員/畑中直樹

さる11月4日にCOP21パリ協定が発効し、マラケシュでのCOP22において運用のルールづくりの議論が始まりました。

 気候変動は、もはや環境にとどまらず、安全保障や経済の世界の主流派がメインテーマとして動き出した問題となっています。
 21世紀後半の早い時期での温室効果ガス排出量実質排出ゼロに向け、カーボンバジェット(累積排出量に対し残り排出できる枠現ペースでは約20年)、カーボンバブル(使える枠は現化石資源資産の約1/7)、カーボンプライシング(社会への炭素価格の組み込み)、グリーンインフラ投資の加速など、社会経済の大転換が求められています。
 このような背景のもと、私ども環境マネジメント分野では、『サスティナビリティ マネジメントグループ』と改称するとともに、以下のような新たな試みを始めています。

脱炭素化のモデルとなる地域づくりのための豊岡への新たな拠点設置と具体化【A】

 兵庫県や豊岡市等とともに設立し、地域の金融機関等とも事業パートナーとして連携している「ひょうご持続可能地域づくり機構(HsO)」の事務局及び取組の具体化の拠点として、豊岡市に新たに「一般社団ひょうご持続可能地域づくり研究所(HsI)(仮称)」の年度内設立を進めています。
 また、環境省地球環境局への若手職員の出向派遣や地球環境戦略研究機関(IGES)が事務局をしているJapan-CLPへの参画などにも取り組んでいます。
 今後、新たな拠点において、様々な方々と連携しながら、脱炭素化の戦略やその具体化にチャレンジしていく予定です。

地域持続に向けた竹や茅等の生態系サービスの活用【B】

 放置竹林対策が全国的に問題となっていますが、現在岸和田丘陵地区において、地元のNPO、鉄工会社、ボイラーメーカー等と連携して、竹の特性を逆手に取った効率的な集材、チップ化、クリンカが発生しない連続燃焼、パウダー利用等に目処を付けながら、バイオマス事業化を進めています。関連して、淡路の洲本市五色町の温浴施設に、竹チップに対応したバイオマスボイラーが年度内には導入される予定です。
 また、イヌワシ等生態系保全のためほぼ失われていた草原の再生(現在約40ha)等自然再生事業を続けている上山高原エコミュージアムでは、若手職人の増加で茅が不足している茅葺き屋根保存グループ「くさかんむり」と連携し、ススキの茅出荷の準備を進めており、まずは今年尼崎21世紀の森内に移築復元される旧芦屋の古民家の茅葺きに利用される予定です。


 

 

食品ロス解決や途上国での廃油活用【C】

 マテリアルサイクルに関しては、特に上流側の食品ロス問題に着目し、子ども食堂等の社会課題解決と結びつけた取組の企画を検討しています。また、途上国での廃油処理とエネルギー問題の解決を結びつけた事業化についてもチャレンジしようとしています。

地域社会を支える人材を育てる【D】

 持続可能な地域づくりに向け、冒頭でご紹介した「HsO」での持続可能地域士(サスティナビリティオーガナイザー)をはじめ、高山市での木質バイオマス熱供給事業の担い手、今春開校予定の兵庫県立森林大学校への講師派遣、若手自治体職員と企業との勉強会のコーディネーターなど、担い手の育成に取り組んでいます。
 また、次世代の育成も重要と考えており、HsOの修了生とともに地域の高校の授業(グローバル人材育成)の講師として出向いたり、幼児の木育の場である「ひょうご木づかい王国」の運営支援、地域オリジナル絵本(温暖化・エネルギー教育)の作成などにも取り組んでいます。


 

 

 

<ご参考>関連ホームページ

◆ひょうご持続可能地域づくり機構(HsO)→http://hso-t.com/
◆Japan-CLP事務局 (公財)地球環境戦略研究機関内→http://japan-clp.jp/
◆高山市木質バイオマス熱供給ビジネスセミナー→http://takayama-w-biomass.jp/
◆(一社)kikito((旧)湖東地域材循環システム協議会)→http://www.kikito.jp
◆(特)森と地域・ゼロエミッションサポート倶楽部→http://m-zesc.net/
◆(特)上山高原エコミュージアム→http://www.ueyamakogen-eco.net/


レターズアルパック201号・目次

2017年1月1日発行

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