レターズアルパック205号
長野市善光寺の空き家再生視察
他地域での空き家活用につなげるには
執筆者;地域再生デザイングループ/竹内和巳
今年度、生活デザインチームでは、空き家活用に関する業務に複数携わっています。そこで、空き家活用によるエリアリノベーションの事例として取り上げられることも多い、長野市善光寺の門前町を訪問し、空き家活用の取組をされている(株)マイルームの倉石智典さんにお話を伺うとともに、活用事例を見学しました。
倉石さんの取組については多くの場所で取り上げられているので詳しくは割愛しますが、マイルームの事業では、不動産・設計・施工を倉石さんがワンストップでマネジメントすることで、トータルの利益をあげていることが特徴です。空き家活用では、物件の掘り起こしをする不動産事業が赤字になることが多いですが、この事業スキームによって解決されています。
さて、善光寺の取組を他地域に適用させることは可能なのでしょうか。現段階では、地域にワンストップで事業を行える主体がいない場合がほとんどだと思います。そのような状況では、ワンストップで事業を行う主体の育成、あるいは事業者間での利益の再分配も含めた不動産・設計・施工による連携体制の構築が必要となると思います。また、行政に求められることは、空き家活用の主体が新たに活動を始めるための初期支援や活動を円滑に進めるための制度設計なのではないかと思います。
倉石さんにまちの中の空き家活用事例を紹介してもらっている際には、倉石さんと顔なじみの方がたくさんいらして、倉石さんが地域の中で丁寧にお仕事をされていることが伝わってきました。
視察をなんとか業務にいかせないかと苦悩しながら、竹内がお送りしました。

空き家活用事例の一例(外観)
![]() 空き家活用事例の一例(内部) |
![]() 空き家活用事例の一例(内部) |
レターズアルパック205号・目次
2017年9月発行
特集「秋の夜」
- 特集「秋の夜」/レターズアルパック編集委員会
- 東京の夜景を気軽に愉しもう/山崎将也
- 博多の夜の風物詩「屋台」を楽しむ/九州事務所((株)よかネット):山崎裕行
- ちょっぴりミステリアスな銭湯ナイトツアー/中村孝子
- 大阪湾秋の風物詩「タチウオ釣り」/山部健介
- かの文豪も愛したカフェの過ごし方/長沢弘樹
今、こんな仕事をしています(業務紹介)
- 「えきまちテラス長浜」がグランドオープンしました/中塚一、馬場正哲、松尾高志、西村創、原田捻、三浦健史
- 純米吟醸「藤袴」はロマンの香り/原田弘之
- 和歌山市の歴史文化を活かしたまちづくりの機運が高まっています/松下藍子
- “ひまわりオイル”ד○○○”お気に入りの食べ方を見つけよう!/武藤健司
- さらなる進化をめざす京都市の景観政策/坂井信行
- 気候変動適応策 地域コンソーシアム事業がスタートしました/畑中直樹
地域に寄り添って地方創生を考える
きんきょう&イベントのお知らせ
- 「文化資産」を活かす/三輪泰司
- 長野市善光寺の空き家再生視察~他地域での空き家活用につなげるには/竹内和巳
- 「集落を復興する」ということはどういうことかを考える~新潟県長岡市山古志(やまこし)地域を視察して~/羽田拓也









