アルパックニュースレター183号

にぎわい復活の「序章」~外宮のまち 山田~

執筆者;公共マネージメントグループ 高田剛司


多くの観光客が行き交う外宮参道

 昨年(平成25年)は20年に一度の式年遷宮の年。伊勢では、内宮と外宮の参宮者数の合計が過去最高の1400万人を数えました。一昨年が800万人程度であったことを考えると、昨年は一挙に2倍近い参宮者数であったと言えます。昨年来、毎月伊勢を訪れていますが、両方の参宮者数がカウントされているとはいえ、秋頃は、特に、人、人、人・・・の印象が強く残っています。
 伊勢では、遷宮を迎える年ごと、すなわち20年に一度のサイクルで参宮者数の増加の波が訪れます。今回は、外宮への参宮客が増えたことの要因が大きく、「せんぐう館」が開設されたほか、外宮参道では、この1~2年出店ラッシュで飲食店を中心に24店舗が新規開業しています。
 外宮周辺の地域は、かつて「山田」と呼ばれ、江戸時代には、現在の旅行会社の元祖である「御師(おんし)」の館があり、明治から昭和にかけても、芝居小屋や後の映画館などエンターテインメント性あふれる地域でした。今も伊勢市の中心市街地として、10の商店街が存在しますが、全国の地方都市と同様に、ここでも空き店舗が増え、にぎわい機能が弱くなってきています。
 そこで、伊勢市商店街連合会の青年部が中心になって、「外宮のまち 山田」魅力再発見プロジェクトが始まりました。商店街を歩いてみると・・・伊勢神宮だけでなく、地元の産土神(うぶすながみ)やお寺などがまちなかに点在しています。また、伊勢の人々の暮らしも垣間見えます。例えば、家の玄関には、「注連縄」が一年中飾られていたり、伊勢特有の「おやつ」があるなど、観光客から見ると不思議な魅力がまちなかにあります。
 こうした魅力に着目して昨年12月に作られたのが、「外宮のまち 山田マップ」です。伊勢には様々な観光マップがありますが、観光客がまち歩きをする手軽なマップがなかったことから、モデルコースや山田のまちの紹介も入れて、みんなで作り上げました。今月には、三重テレビ「ええじゃないか」で、マップ片手に散策する旅番組が作られ、放映もされています(京都放送、サンテレビ、テレビ埼玉などでも放映)。また、商店街を紹介するCMも作り、正月三が日からテレビを通じて「外宮のまち 山田」の名前をドンドン宣伝しています。
 「外宮のまち 山田」のにぎわいづくりは、まだ「序章」。20年後の遷宮に向けて、これからどんな楽しいまちがつくられていくのか、今からワクワクしています。みなさんも、伊勢を訪れた際は、ぜひマップを手にして、山田のまちなかを歩いてみませんか。


「外宮のまち 山田」マップ