アルパックニュースレター164号

「なにわ元気アップ会議」で平松市長と懇談しました

執筆者;大阪事務所 大河内雅司(大阪市中央区フィランソロピー懇談会 事務幹事)

細く長い懇談会の10年

 “大阪市中央区フィランソロピー懇談会(略称CFK)”は、企業の社会貢献担当者の情報交換会として1999年にスタートしました。10年を超えて、途中で一休みしながら細く長く活動を続けており、今年度は18社、22名のメンバーが集っています。
 会員は、尼崎信用金庫、大阪商工信用金庫などの金融機関、富士ゼロックス、丸紅、ロート製薬、佐川アドバンス、日本サムスンなどの企業、淀商業高等学校、扇町総合高等学校などの学校の他、高齢者福祉に関わる事業所や障害者施設など、多様なメンバーが参加しています。中央区社会福祉協議会が事務を支えてくれており、私は事務幹事としての役割を果たしています。

顔が見える関係で地域密着したい

 フィランソロピー懇談会の特徴は、“顔が見える関係で地域密着をめざす”です。中央区の昼間人口は約51万人、住んでいる人の約7倍の企業市民がここに通っています。しかし、住民にとって企業市民はなじみがなく、“よくわからん・なにもんや”といった存在にとどまっています。
 我々は、区の社会福祉協議会に間に入ってもらいながら、地道に住民の方と一緒に活動することで、顔が見える関係づくりをめざしています。「出張出前講座」は特徴的な取り組みの一つです。
 例えば“ロート製薬の薬育講座”は、老人クラブや婦人会の集まりに呼ばれて薬のミニ講演をしています。ためになる話と、目薬や日焼け止めなどの試供品のプレゼントという、そこにしかない企業のオリジナルメニューです。また、「ありがとう花の街中央区」は、自治会にお花のプレゼントをして一緒に植えています。「区民まつり」にもボランティア団体として参加して、活動発表を行っています。さらに年1回のまとめの行事である「企業市民セミナー」では、昨年度は約70名の住民の方が参加されました。少しずつですが、人のつながりができて、「知ってるよ」と言ってくださる住民の方が増えています。

活動が評価されて「なにわ元気アップ会議」に

 そんな取り組みが評価されたのでしょうか、大阪市から「なにわ元気アップ会議」に指名されました。この会議は市長と市民との対話の場として、市民が主役のまちづくりの一環で行われています。“パフォーマンスじゃないか”といった見方もあり、大阪府と大阪市がややこしい時期でもあったのですが、“行政が選んでくれた、活動が評価された”と前向きに捉えて準備を進めました。

「いっしょにやりまひょ!大阪」で

 会議は「中央区は3,700もの事業所のある大阪の中心地。企業市民も中央区の大切な一員、一緒になって中央区を盛り上げてほしい。」と、市長の挨拶から始まりました。話し合いの中から、企業市民の表彰事業、広報やホームページで社会貢献活動のPR、行政職員の参加など、中央区ならではのアイデアが出されました。
 会議は、企業市民と区行政が協働していく第一歩になりました。企業は社会貢献を通じて企業イメージを高めたい、住民や行政は企業市民の力も活用してまちをよくしたい、両者の思いはつながるのでしょうか。「知っているよ」から「地域になくてはならない存在となる」ことをめざして、先ずはやれることから、「いっしょにやりまひょ!大阪」です。


中央区民まつりにて

中央区なにわ元気アップにて