アルパックニュースレター168号

新しい大阪駅「大阪ステーションシティ」がオープンしました

執筆者;大阪事務所/橋本晋輔

 大阪の玄関口である大阪駅。その大阪駅が5月4日に新しく生まれ変わりました。新しい駅のキャッチコピーはずばり「大阪駅が“まち”になる」。大阪駅の大改修と共に、駅の北側に商業施設の「LUCUA(ルクア)」、大阪初の伊勢丹「JR大阪三越伊勢丹」がオープンし、増床した駅南側の大丸梅田店と併せて「大阪ステーションシティ」となりました。
 今回の改修で一番目を引くのは、やはり駅のホームを覆う大きな屋根です。駅をすっぽりと覆う大きな屋根はこれまでの駅にない新たな広がりを感じさせます。ただ、新しい屋根が高すぎて雨風が強いと雨が吹き込んでしまうので(私も一回ホームで傘をさしました)、元々ホームの上にある小さな屋根は残念ながら未だ撤去されずに残っています。
 もう1つ今回の改修で特徴的なのはステーションシティの中に8つの広場が作られたことでしょう。広場はどれも九州新幹線の「さくら」や貴志川線の「いちご電車」などのデザインを担当した水戸岡鋭治氏がデザインをしています。個人的に特に気に入っているのは橋上改札口の上にある「時空の広場」で、広場にはオープンカフェもあります。昨年、ヨーロッパに行った際、ヨーロッパの鉄道駅はなんてカッコいいんだと感動しましたが、その時感じた感動が「時空の広場」にはありました。ちなみにオープンカフェのアイスクリームもなかなかおいしかったです。


時空の広場

 また、北側のビルの屋上には「天空の農園」という広場があり、野菜などを育てられる本物の農園があります。オープン前から噂で聞いていたので楽しみにしていたのですが、意外と農業をできるところは小さく、2m×2m程度の区画が約20区画ある程度です。ただ、農園の方曰く、問い合わせが非常に多く、注目度は高いようです。
 その他にも、ステーションシティのガイドツアーがあったり、日本発の電気自動車(EV)専用のタクシー乗り場があったり、新しいもの好きな大阪らしい仕掛けが色々あり、ただの交通結節点ではない一つの拠点として大きく生まれ変わっています。
 大阪では阿倍野にこの4月にキューズモールがオープンし、これからも近鉄阿倍野本店再開発、阪急うめだ本店の建替え、大阪駅北ヤード(うめきた)先行開発地区オープンと大規模な開発が目白押しです。オーバーストアだという声もよく聞かれますが、それぞれがうまく個性を出しあい大阪自体の魅力が向上することを期待します。


天空の農園