アルパックニュースレター176号

京の祭事・催事

執筆者;名誉会長/三輪泰司(NPO平安京・代表理事)

 10月は京都で一番お祭りが多い月です。オマツリにもいろいろあります。“ちらし”を3つご紹介します。

8年目の祭(京都府庁旧本館)

 2004年(平成16)、京都府が京都府庁旧本館竣工100周年、重要文化財指定を記念して公開事業を始めて今年で8年になります。2008年(平成20)9月に府民参加のプラットフォーム「京都府庁旧本館利活用応援ネット」創設、座長を勤めて4年になります。
 府庁舎での連続講座は第6シリーズに入り通算18回。食のこだわりマルシェも10月14日の13回には参加店30を越え、定例年4回型で定着しています。
 10月27日から11月11日まで「秋の一般公開」です。春は桜の下での賑わい、秋は芸術・展示に、ステージも多彩。新しい参加の場になっています。展示では、布と同じ工程・染料で杉板に表現する技術、ステージでは学生のおどり「京炎そでふれ」、無声映画と放送劇団の共演などなど。文化財資産は物的な空間・建造物が、無形の技を智恵で結ぶことで、現代に、活きてきます。


京都府庁旧本館秋の一般公開

130年目の祭(京都商工会議所)

 10月27・28日、みやこメッセでの今年の「京都産業まつり」は、格別な催しでした。
 京都の最先端テクノロジーと日本近代化の「礎」を創った技術・逸品の展示。その原動力となっていた進取の精神、その根底にある「家訓・社訓」に伝わる高い倫理観と商人魂に見る経営理念の承継アピールが、光っていました。
 明治15年創立の京都商工会議所は、今年130年になります。
 創立百年の時、私は51歳でした。
 1982年(昭和57)10月16日、国際会館で記念式典が開催されました。議員に推挙頂いたのは阪神・淡路大震災の年、64歳です。まだ下積みで働いていました。
 丁度、関西学研都市構想を推進の真っ際中、初めて高槻市公営企業審議会の重責を仰せつかった年、アルパックも九州に続いて名古屋事務所創設の頃で、むちゃくちゃに忙しかったですが、体力はありましたね。「京都経済の百年」と題する記念誌に関わりました。
実は、明治15年(1882)、京都経済は大ピンチの時代でした。
 調べてみて驚いたのは会議所設立メンバーの年齢。山本覚馬(新島八重の兄)が最年長で57歳、会長・高木文平40歳、内貴甚三郎35歳、大沢善助29歳。
 リーダーの中核は40・50歳代で、若者を引き立てるべしです。

1218年目の祭(平安京)

 秋10月の祭と言えば、22日の時代祭。その夜の鞍馬火祭。
 その前日「プレイベント」と称して「平安京遷都ものがたり」を始めました。
 京都市埋蔵文化財研究所主催。4会場のうち、NPO平安京は、大極殿跡・内野児童公園会場を受け持ちました。
 平安京遷都の詔(みことのり)から始まって、平安雅あそび、アートマーケット、源氏物語絵巻展示など繰り広げました。
 ハイライトは「平安の調べ」。
新京を寿ぐ「平安楽土、万年春」のことばは伝わっていますが、メロディが判らない。七五・四句ですが平安中期の「今様」の前です。越天楽を元に作曲して頂きました。
 ソフト・ハード併せ、文化財資産を、まちづくり、ビジネス起こしに活かす「智恵」の時代です。


京都商工会議所の京都産業まつり

平安京遷都ものがたり