レターズアルパック210号
地震体験記「都市直下地震、交通網の遮断で体験したこと」
執筆者;建築プランニング・デザイングループ/杉本健太朗
6月18日に発生した大阪府北部地震で被害に遭われた皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
6月18日の大阪府北部の地震が発生したとき、私は、家を出る前で身支度をしている最中でした。出社しようと駅へ向かうと、地下鉄は止まっており、運行再開には時間がかかるとの説明の後、入口のシャッターが下りてしまいました。
どうすることもできず、しばらく自宅で待機していましたが、午後になっても地下鉄は全く動きそうにありませんでした。大きな余震もなく、まちづくりに関わる者として、非常時のまちの様子が気になったため、会社に向かいながら現在の状況を把握しようと思いました。しかし、タクシーを捕まえることができず、バスを待っても全然来ませんでした。
残る交通手段は一つ。歩いて会社に向かうことにしました。靴をランニングシューズに履き替え、コンビニでスポーツドリンクを購入し、まだ引っ越して間もないため、スマートフォンのマップを頼りに歩きました。
当たり前の話ですが、普段、車窓から眺めている景色がとても遠く、移動時間と距離の感覚が、実際のスケールよりも大きくずれていることを改めて認識しました。新淀川大橋を渡ったときは、橋の長さに加えて、橋へのアプローチ、橋へ上がる階段、歩道の幅など、歩行者にやさしくないと思いました。スーツケースを持った人など大勢の人が、列をなして橋を渡る姿は、平常時では見ない光景でした。
歩いて一時間半以上かけ、やっと会社に着いたと思いきや、ビルのエレベーターが停止しており、歩いて10階まで上りました。横にも縦にも、とにかく歩いた一日でした。
レターズアルパック210号・目次
2018年7月発行
特集「おとなり」
- 特集「おとなり」/レターズアルパック編集委員会
- 特集「おとなり」おとなりの国「韓国」の伝統集落で昔の生活様式や文化に触れる/山道未貴
- 特集「おとなり」となりの国からみた日本/朴延
- 特集「おとなり」おとなり同士の沿道の不動産オーナーが連携するエリアマネジメント活動/絹原一寛
- 特集「おとなり」おとなり同士困った時こそお互い様の精神で/丸井和彦
- 特集「おとなり」アマチュアの視点が都市を変革する!?/坂井信行
今、こんな仕事をしています(業務紹介)
- 大阪人に愛される商店街であり続ける「なんば 戎橋筋商店街」/山部健介
- 都心部での大規模マンションの立地を考える/橋本晋輔
- 茨木市市民会館跡地エリアを「みんなで育てる広場」へ/戸田幸典
- 密集市街地のこれからを考える/中井翔太
- 元銀行がフレンチレストランに/山崎博央
- 「西京結び」~区民のアイデアで新たな活動を/嶋崎雅嘉
- ひょうご持続可能地域づくり機構(HsO)人材育成プログラム 第4期生募集中/畑中直樹







