アルパックニュースレター163号
京のまちに今年も「妖怪電車」現る!
夏は暑いものだけれど、今年の暑さは格別であった。まとわりつくような蒸し暑さを気分的に少しでも吹き飛ばそうと、京都の街中を走り抜ける嵐電(京福電鉄)「妖怪電車」に乗ってきました。
この「妖怪電車」は、2007年夏に京都で世界妖怪会議とやらが開催された際に妖怪イベントの一つとして、運行を開始しました。私が初めて乗車したのもこの年で、好評のために毎年運行され、私的には夏の風物詩の一つとなりつつあります。
今年の運行期間は、8月20日~29日で、夕方から9時過ぎまでの間に嵐山駅~四条大宮駅(もしくは北野白梅町駅他)間を一日7本(臨時電車)運行していました。そろそろ日が暮れ始めようとする7時過ぎに四条大宮駅で嵐山駅行きの「妖怪電車専用電車券」を200円(子どもは100円)で購入し、三脚持参の撮り鉄や子ども連れの家族が大勢いる中、待つこと30分。ホームに車両内部が妖しく光る「化け電(ゲゲゲの鬼太郎のラッピング電車)」が、すーっと現れました。車両は2車両で、照明を落とし代わりにブラックライトを使用しているので、妖しく青白く光っています。車両内部は、吊り広告部分に妖怪の絵が飾られ、化け猫の鳴き声のような効果音が反響するなど、照明だけでなく怖さの効果をあげるために数々の趣向がこらしてあります。途中で、一瞬、ライトが全部消えたのですが、これも演出の一つだったと思います。
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そして、妖怪。ざんばら髪、白髪のカツラや浴衣を着ていて、お面をかぶっているとはいえ、その形相は相当怖いものがあります。ほぼ満員の車両内を妖怪は、終始練り歩き、乗客の顔をのぞき込んだり、子どもをだっこして記念撮影に応じたり、考えようによってはサービス精神旺盛な妖怪たちです。
さて、乗客の反応はというと、子どもは恐怖のために泣き叫んだり、笑いころげて握手を求めたりその反応はまちまちです。一方、大人はといいますと、その様子を見て笑ったり、記念撮影をしたりで怖がるどころか余裕で楽しんでいます。
私が事前にキャッチしていた情報では、各車両には妖怪が2匹ずつ乗車するはずだったのですが、いざ乗車してみるともっとたくさんの妖怪がいました。実は、妖怪に扮装して乗車すると運賃が50円になるという企画で、浴衣を着たキツネの妖怪、猫の耳としっぽがはえている化け猫の妖怪などは、たぶんお客さんだったと思います。妖怪に扮装すると乗車記念に「妖怪認定書」ももらえるらしいので、来年は挑戦してみようか目下のところ考え中です(笑)。とにかく、乗車時間はわずか30分程度ですが、何故か途中からみんなで楽しんでいる一体感みたいな雰囲気が漂ってきて不思議な気分になります。
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残念ながら、時間の関係上、参加はできませんでしたが、お盆休みには東映京都の女優さんの朗読による「怪談電車」の運行や「妖怪仮装コンテスト」があったり、さらには妖怪ストリートで有名な「大将軍商店街」と連携したイベントが開催されるなど、その他にも妖怪の企画が盛りだくさんだったようです。
また、友人の目撃談によると、嵐山電鉄は、一部路面電車なので、夜に走る妖怪電車の姿もなかなかおもしろいそうです。来年は、このあたりを攻めてみようかとも思っています。
暑さを吹きとばすつもりで行ったのですが、笑いで吹き飛ばされたという、なんとも楽しい夏の時間を過ごせました。来年も運行されると思うので、皆さんもいかれてはいかがでしょうか?
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