アルパックニュースレター166号
インクルーシブな「働く」をつくる~その2
昨初夏、「部活、始めました」と冷麺の準備ができたかのような記事を書いたのが、ニュースレター第161号。その後、インクルーシブな「働く」を考えるため、8月10日に第2回の「部活」を開催しました。さてはて、空論を現実の話としていくために、何をどう考えていけば……そんな感じでやっていました。
はじまりはいつも、突然に。
ところが事態は急加速。京都市の障害者職域開発推進事業の公開セミナー・研究会に参加された京都府再資源化事業協同組合の中谷延幸理事長との間に橋渡しをして頂きご縁を得たことが、次のステージを拓きました。人の多様性に応えるインクルーシブな「働く」を開発したいという想いと、新たな資源循環をみんなでつくり、これを力に新しい障害者雇用を創出したいという想いがひとつになって、「それじゃぁ」と、活動の実態をつくっていくことになったのです。
メマグルシイ3か月
そんなわけで、「部活」の第2.5回(第3回まで、数字を刻んでいきます)は、いつの間にか設置されたみんなのNPO設立準備室による設立準備会ともなって、2回の会議を開催。そして、平成23年3月1日。私たち設立人は、(仮称)特定非営利活動法人みんなのNPO設立総会を開催し、法人格を取得していくことを確認しました。大変なことに理事長は不肖廣部です。尋常ならざるご指導・ご鞭撻を頂かないことにはとても保ちません。新川達郎先生(同志社大学大学院総合政策科学研究科教授)、Pauline Kent先生(龍谷大学国際文化学部長)、三輪泰司弊社相談役にこいねがって、学識者の立場から顧問にご就任頂きました。また、以前ご紹介したイーリアン・パイプス奏者の松阪さん(第156号)には、門出の餞(はなむけ)にアイリッシュ音楽を演奏して頂き、みんなを元気づけて頂いたところです。
この間、実質わずか3か月程。短期間ですが、出会うべき時に、出会うべき人と出会うべくして出会った、そんな「符合」がいっぱいの道のりでした。関係者各位に、心から感謝致しております。
応援してやってください!
みんなのNPOの活動は、いろんな人が出会い知恵を交わしあうことを活動の軸として、また、資源ビジネスを活動の力として、様々な「働きづらさ」のある人にとって必要な「働く」をていねいに開発し、同時に、自分たちの資源循環を新たにつくろうとする活動です。本部事務所は京都市伏見区の京都市営バス横大路車庫の近く、京都中央ビル2階になります。
アルパックの所員としての活動との相乗効果をつくりながら、インクルーシブな「働く」をみんなでつくるため精一杯チャレンジして参ります。どうぞ、応援してやってください。
![]() アイリッシュ音楽の演奏 |
![]() NPO設立総会の記念写真 |
直面している課題は商品開発
世界的な不況、低成長経済、人口減少時代を迎えて、これまでのような電力需要の伸びは期待できない状況にあります。エルハートでも、発電所の閉鎖などによって花卉栽培・花壇保守の仕事が減っているそうです。障がい者だからという甘えは許されない、新しいビジネスモデルを提案して商品化したい、との声もあり、新たな顧客開拓をめざして様々な取組をしています。
インクルージョンの現実と可能性
特例子会社という特別な形態はインクルージョン(共に包み支え合う社会づくり)なのか?そもそも法定雇用率を定めるという「割当雇用制度」の考え方はどうなのか?といった意見もあります。大企業でも5年後、10年後がみえない時代において、就労のインクルージョンをどのように形にしていくのかは難しいテーマです。
お話を聞いている時に、これからマッサージの仕事につかれる視覚障がい者の方が盲導犬と一緒に出勤してこられました。
大阪の都心、中之島を歩いているとスーツ姿のビジネスマンと一緒に働く障がい者の姿を見かけます。障がいがあっても本人のニーズをもとにして仕事を選択できる、多様な職場が用意されており、働く権利が保障されている、インクルージョンの理念を手放さずに現実と折り合いをつけて少しずつ形にしていければと思いました。
アルパックニュースレター166号・目次
ひと・まち・地域
きんきょう
- 企業立地セミナーが開催されました/大阪事務所 柳井正義
- 就労のインクルージョンをめざして~特例子会社「かんでんエルハート」視察報告
/大阪事務所 大河内雅司
- インクルーシブな「働く」をつくる~その2/京都事務所 廣部出
- さかい緑のフォーラムが開催されました/大阪事務所 絹原一寛
- エコアパートの正体と将来と~花園荘を訪れました~/大阪事務所 嶋崎雅嘉









