アルパックニュースレター174号

いま、名古屋の都心を流れる堀川が面白い。

執筆者;名古屋事務所 間瀬高歩・木下博貴

 今年5月、フラワーフェスティバル2012が堀川納屋橋界隈で開催されました。フラワーフェスティバルは、かつて、生活物資の輸送路だけでなく、名古屋市民の憩いの場となっていた堀川を再生する機運を高めようと開催されたものです。今年は、「堀川を花とひかりで賑わいを」をテーマに、市民の手で沿岸に400鉢の鉢花と広場にぼんぼりを展示。ゴンドラの体験乗船やゴンドラ結婚式、400名の中学生の大コーラス、その他市民団体による各種イベント、作品展等が開催されました。行き交う人々も足を止め、多くの方が参加されました。



フラワーフェスティバル2012の様子

 堀川納屋橋界隈ではフラワーフェスティバルをはじめ、一年中、ユニークなイベントが開催されています。例えば、堀川を活かしたまちづくりの意識高揚を図るため開催される「堀川ウォーターマジック」や、産学官の連携により堀川の浄化・美化に貢献できるロボットのコンテスト「堀川エコロボットコンテスト」等です。なかでも、面白いと思うのは、「なやばし夜イチ」。地元の若い方が中心となり、毎月第4金曜の夜に開催されています。手作り看板と赤提灯の先には、飲食ブースから作品展示ブースまで様々なお店が出店され、夜の水辺を楽しむことができます。
 堀川納屋橋界隈では、平成16年の「河川敷地占用許可準則の特例措置(国土交通省)」の通達により河川敷地にオープンカフェ等一定の施設を設置することが可能となったことから、これを活用した遊歩道整備や納屋橋南地区市有地整備活用事業施設の整備等が進められ、少しずつ水辺に顔のある風景が見られるようになってきました。また、今年から名古屋市では「なやばしランブリン(堀川納屋橋地区にぎわい事業)」として、諸条件はあるものの誰もが親水広場や遊歩道でイベント開催が可能となる事業を展開しています。日頃、通勤などで行き交う人の多い納屋橋にあって、ここが堀川再生に向けた大きな舞台となりつつあります。
 堀川は、名古屋城築城に合わせて開削され、以来400年間にわたって名古屋の歴史とともに歩み、人々の暮らしやまちづくりに密接に関わりを持ってきました。沿岸は、納屋橋界隈のにぎわいだけではなく、400年の歴史が点在しており、延長16.2kmには地区毎に様々な風景をみることができます。
 現在、名古屋市では、これら地区毎の特徴を活かし、堀川を軸とした一体的なまちづくりを進めるにあたり、民・産・学・官が連携して取り組むための指針となる堀川まちづくり構想を策定中です。また、納屋橋は来年架橋100周年にあたることから、名古屋のにぎわいスポットとしてまだまだ注目を集めそうです。是非、御来名の際にはお立ち寄りいただきたいと思います。


なやばし夜イチの様子

納屋橋南地区市有地整備活用事業施設