アルパックニュースレター178号
第6回CITEまちづくりシンポジウム「大阪をブランディングする
~新たな都市魅力を創造し、世界・アジアに発信する~」に参加して
1月30日に財団法人大阪市都市工学情報センター(CITE)とCITEさろんの共催で、昨年10月から12月に4回の「CITEトークセッション」及びその総括の場として開催された「第6回CITEまちづくりシンポジウム」をお手伝いさせていただきました。
本年度の「トークセッション」では、「大阪をブランディングする」をテーマに、大阪のまちの個性を活かし、特徴や価値をブランドとして確立し、人々が訪れたい、住んでみたいまちづくりを実践されているキーマンをお招きしました。
その総括の場として開催された「第6回CITEまちづくりシンポジウム」では、「都市ブランド戦略とデザイン」と題して工業デザイナーの喜多俊之氏に基調講演をいただきました。
基調講演
喜多氏は、はじめにパリやミラノにおける普段の暮らしを魅力的にするデザインの持つ力や、ご自身がデザインアドバイザーなどとして関わるシンガポールやタイなどのアジア各都市におけるデザインによる都市ブランド戦略としてデザインをご紹介いただきました。それらの都市ではデザインを資源と捉え、人材育成やデザインセンターの建設など官民が一体となりデザイン都市をめざしていることなどをご紹介いただきました。
次に、アジアでもヨーロッパと同じように、デザインによってクオリティを高められた、まちや暮らしを志向する中で、大阪における都市ブランド戦略を考える上で重要なことは、イタリア人カメラマンが撮影した大阪の魅力的なまちの写真をもとに、大阪のパワフルなアイデンティティを大切にしながら、歴史や文化といった人の資源を活かしていくことが重要であると語られました。
講演内容の中では特に、アジアが発展を目指す段階からクオリティ競争の段階に入った中で、暮らしやまちの質を高めるために「待っていてもだれも来ない。自ら何かをしなければならない」という強いメッセージが印象的でした。
![]() 喜多氏基調講演 |
![]() パネルディスカッション |
パネルディスカッション
後半のパネルディスカッションでは、京都市立芸術大学の藤本英子先生をコーディネーターに、喜多氏の他、澤田充氏(株式会社ケイオス代表取締役)、柏木陸照氏(大阪市中央区長)に登壇いただきました。
その中で、大阪の各地域での取組みを連携し、大阪全体の都市ブランドにつなげていくためには、「ブランド化につながる分かりやすいコンセプトの共有」(澤田氏)や「ハード・ソフトを繋ぎ、人のつながりや時代を繋いだ4次元の発想」(柏木氏)が重要だという意見が出されました。
また、都市魅力の創造に向けて必要なこととして、「市民が楽しい暮らしを送ろうという気持ちを持つこと」(喜多氏)、「ブランドを築いた人たちが誇りに思うようなインナーブランディング」(澤田氏)といったことが挙げられました。
そうして創り高められた魅力を発信していくためには、素敵な言葉などで表現したり共通認識を持つためにデザインで可視化したりすることが大切だといったお話をいただきました。
最後に
私たちにとっても、デザインの力を活かしてまちの魅力を高めること、一人ひとりが楽しみながら行動することで暮らしのクオリティを高めていくことが、大阪の都市ブランドを創り発信していくためには大切だということを、今回の一連の事業を通して再認識する場となりました。
アルパックニュースレター178号・目次
ひと・まち・地域
きんきょう
- 芝田2丁目のまちづくりが動き出します~未来都市芝田2丁目協議会の設立&記念イベント「マルシェ」の開催/都市・地域プランニンググループ 清水紀行
- アイ・スポットのイベント報告/都市・地域プランニンググループ 絹原一寛
- 大阪市港区ワークス探検団の取り組み~小学生による中小企業訪問活動/代表取締役会長 杉原五郎
- 第6回CITEまちづくりシンポジウム「大阪をブランディングする~新たな都市魅力を創造し、世界・アジアに発信する~」に参加して/地域再生デザイングループ 中塚一・羽田拓也









