アルパックニュースレター196号
新しい施設・庭園の使い方を考える市民フォーラムを開催しました
「宝塚ガーデンフィールズ」と聞くと、ピンと来ない方でも、「宝塚ファミリーランド」と聞くと、ご自身もしくはご家族での思い出が呼び起こされる方も多いのではないでしょうか。さらに、昭和初期、この地には旧宝塚植物園などがあり、周辺の動物園や温泉施設などとあわせて、多くの子ども連れや家族などが訪れる、いわば関西屈指のレジャースポットでした。
宝塚ファミリーランドの閉演後は、歴史を継承した庭園が整備され、「宝塚ガーデンフィールズ」として営業されてきました。2013年に営業終了されたのち、敷地の一部は、市によって取得されました。
その地の利活用に向けて、宝塚を象徴する場所の一つとしての資源等を活かし、今後も多くの方々に親しまれる場所にしていこうということで、今年度、新たな施設の基本計画及び基本設計を進めています。(受託:東畑建築事務所・地域計画建築研究所・E-DESIGN設計共同体)
市民フォーラムの開催
跡地整備の事業計画の概要を市民の方々にご説明し、自分たちでできることを考えてもらう場として、「宝塚ガーデンフィールズ跡地利活用 市民フォーラム」を2月21日(日)に開催しました。
フォーラムでは、「新しくできる施設で『こんなことができたらいいな』『活動するためにこういう場所だといいな』ということを出し合おう」をテーマにワークショップを行いました。今回計画する文化芸術施設や庭園を活用して自分たちができること、やりたいことなどについて、60名を超える参加者が意見を出し合いました。
文化芸術施設や庭園の空間を使った賑わい創出につながる多くのアイデアが多く出されましたが、中には、宝塚歌劇や手塚治虫記念館などの周辺施設と連携した周辺を含めたエリアの魅力づくりに想いを巡らせるアイデアがあったり、造園業をはじめとするプロの方々からはスキルを活かした講座の開催など、ワクワクするような多種多様な意見が出されました。
この施設では、子どもや家族が楽しむ場所などの歴史的な背景の継承や文化芸術などの質の高いものに触れてもらえる場であるとともに、宝塚の歴史や自然などの多様な魅力に触れてもらう入口になるような施設になれば、という思いを持っておられる方が、参加者の方々の中にもおられることが印象的でした。
新しい市民の関わり方をつくる
今回の市民フォーラムは、1935年に宝塚音楽学校の本校舎として建てられたモダニズム様式の歴史ある宝塚文化創造館の講堂にて行いました。こうした空間が市民活動の場として、大切に使われていることからも宝塚市民の方々の場所に対する想いの深さを実感しました。
公共施設を多くの人に親しまれる場所にしていくためには、オープン前の計画段階から市民の方々に状況を知っていただくだけでなく、積極的な関わりを持っていただきながら、愛着を持ってもらう機会を増やしていくことが重要です。
今回の市民フォーラムをスタートとして、市民が関わりを持つ施設が育まれ、また、今回出されたアイデアが実現されることで、施設としてだけでなくまちの賑わいをつくっていくことにつなげていければ、と考えています。

歴史ある講堂を使ってのワークショップの様子
アルパックニュースレター196号・目次
ひと・まち・地域
- 御堂筋の道路空間再編、始まる。~世界の観光客が闊歩するメインストリートに向けて~/絹原一寛・中井翔太・中塚一・羽田拓也
- 地域から少子高齢化への対応を考えるその15~北海道で人口が増えている芽室町の増加要因を考える~/森脇宏
- 「小阪ママっコラボ事業」 ~子育てママと大学や地域がコラボして、キッズファースト商店街実現をめざします!~/絹原一寛・片野直子







