アルパックニュースレター200号

「働き方改革についての事例報告と自由討議」を開催しました

執筆者;代表取締役会長・都市計画コンサルタント協会理事/杉原五郎

「働き方改革」は、いま、社会的に大きな課題

 働き方改革が社会的に注目を浴びています。育児をしながら仕事でがんばっている女性を含め、すべての働く社員にとって、また企業経営に責任をもっている経営者にとっても、大きな課題になっています。
 このような状況を踏まえ、10月28日(金)の夜、アルパックの大阪事務所で、「働き方改革についての事例報告と自由討議」を開催しました。関西地区協議会の9社から世話人を含め24名(うち女性7名)が参加し、熱い本音のトークで盛り上がりました。

各社それぞれ、「働き方改革」にチャレンジ

 最初に、各社から「働き方改革の現状」について報告していただきました。
○「真に魅力ある企業へ」(経営理念)に基づき、「情熱とやりがい」を成長の原動力と位置づけ、「長時間労働からの脱却」と「魅力とやりがいの醸成」に取り組んでいる(A社)
○会社は、「好きな時に出社して、好きなだけ働くアトリエ型」でスタートしたが、最近になって新しい働き方をする社員が入社し、現状をなんとかしなければとの雰囲気になってきた。(B社)
○働き方改革を進めるには、労働時間の正確な把握が大切。そのために、日常的に「ノー残業デー」「深夜残業の申請・許可」「タイムマネージメントサポーター制度」など時間管理を徹底。仕事の進め方についても、「朝メール」「詳細工程表の作成」「工程会議」「品質会議」などを実施している。(C社)
○「残業時間の見える化」「個人別、業務別に予定時間の見える化」を社内で共有し、ワークシェアに取り組んでいる。(D社)
○「リフレッシュデー(毎週水曜日)」に社内あげて取り組み、管理職に対して社員のリフレッシュデー取得の管理状況、一般社員に対してその取得状況を評価している。夜の20時と22時に、社内の照明を一斉に消灯、ストレスチェック(月1回)を定期的に実施している。(E社)
○毎年8月に「親子参観日」を実施、小学生と保護者が参加して、会社見学と社員の働き方を疑似体験する場を設けている。(F社)
○「裁量労働制」「短時間勤務制度」を導入し、勤務時間の自由度は拡大したが、長時間労働問題は改善できていない。事務所移転を契機に、新たなオフィス環境づくりに取り組んでいる。(G社)
○数年前から「ノー残業デー」に取り組み、実施率は、6月で90%、10月は80%。社員の意識が変化し、効果はでてきた。(H社)
○最近、女性技術者が増え、出産・育児や介護の問題がでてきた。多様な働き方への対応が求められるようになっている。(I社)

働き方改革で、本音トーク

 各社の報告を受けて、参加者それぞれから、感想、質問、意見など本音の発言が相次ぎました。
・家族を会社に招いて、社員の働いている姿をみてもらう取り組み(親子参観日、ファミリーデー)は、いいことだ。
・女性が働きやすいようにする3S(サポート、シェア、サクセス)を推進する責任者をして頑張っている。
・他社の取り組みをしっかり聞いて、自社に生かしたい。
・社内で「ワーク・ライフ・バランス」を積極的に実践しているモデル社員を支援することが大切ではないか。
・1週間単位の残業申請をする中で、1週間ごとに仕事の進め方や時間の使い方を考えるようになった。
・発注者も変わってきているので、こちらの事情を率直に話せば理解してもらえるようになっているのではないか。
・仕事は、受託したこちらだけで抱え込まず、発注者とともに相談しながら進めるという姿勢が大切ではないか。
・都市計画やまちづくり仕事していると、日常生活で体験することすべてが参考になる。仕事をしている時としていない時との区別がつきにくいといった問題がある。
・仕事の中での充実感(やりがい感)を若い人にどう伝えるのか、なかなか難しい。
 など

豊かな働き方に向けて

 今回は、関西地区協議会として初めての取り組みでした。各社から何人参加していただけるか、また、参加企業の働き方や参加者の本音がどの程度発言していただけるか、一抹の不安がありました。
 全体を通しての私の感想は、以下の通りです。
(1)関西地区協議会の各社から24名の参加が得られ、各社とも「働き方改革」が共通する経営課題になっていることを実感した。
(2)各社それぞれの企業規模、歴史、業態、社内風土などを反映して、「働き方改革」について独自の創意工夫と努力がみられる。
(3)「ノー残業デー」などできることから社員を巻き込んだ取り組みを継続させることによって、社員の意識が少しづつ変化し、成果が見えるようになっている会社が幾つかでてきている。
(4)しかしながら、長時間労働問題の抜本的な改善など働き方改革は、緒についたばかりである。今回の取り組みを第1回として、さらに継続的に進めていくことが重要である。
 今回は、思いのほか、ざっくばらんな形で、参加者から率直な発言がでました。第2回は、来春の4月か5月頃に実施する予定です。今回の取り組みを契機に、各社で「働き方改革」が着実に前進し、社員の豊かな働き方と都市計画コンサルタントの魅力向上が進展することを祈念します。

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2016年11月1日発行

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