アルパックニュースレター165号

協働によるふるさと芦田川再生

執筆者;大阪事務所/岡崎まり

 大阪府高石市では「二級河川芦田川ふるさとの川整備事業」の基本構想を市民と行政との協働により検討を行う「みずからまもろう ふるさと芦田川の会」が平成21年度から開催されており、今年度で2期目を向かえています。
 昨年度は3班に分かれ「こんな芦田川にしたい」、「芦田川でこんなことしたい」といった芦田川の将来像を班ごとにイメージとしてまとめ上げる等の活動を行ってきました。


生き物調査

 今年度は昨年度に引き続き基本構想を検討するだけでなく、会議室を飛び出して多くの市民の方に現在取組んでいる活動や芦田川について知ってもらうためのPR活動を行っています。
 そのPR活動の第1弾として平成22年8月8日(日)、高石市で毎年行われている羽衣七夕祭りにブースを出店しました。
 お祭り当日に委員の方々が芦田川に入って捕まえた生き物を“芦田川生き物水族館”として開設した他、“顕微鏡コーナー”を設けたり、七夕にちなんで“笹舟作りコーナー”も設置しました。
 “芦田川生き物水族館”として水槽の中にいた生き物は、うなぎやメダカ、ザリガニ、カメ、カニ、カエルなど多種にわたり、お祭りが始まると「芦田川にこんなに生き物が棲んでいたなんて!」といった驚きの声を多くいただき、芦田川を知ってもらう1つのきっかけ作りになったように思います。
 また8月29日(日)には、夏休み最後の日曜日を利用して、こども川遊びワークショップを開催しました。
 当日は小・中学生の子供たちが、芦田川に入って生き物を捕まえたり、芦田川の水質検査を行った他、プランクトンを顕微鏡で観察したり、竹で水鉄砲を作ったりしました。
 今まで上から眺めるだけだった川に直接入ってみることで、子ども達には身近にある川に対する認識や、生き物に対する興味、川で遊ぶ楽しさを知ってもらうことができました。
 このような取り組みを通じて、整備後の芦田川は子ども達が日常的に親しむことができ、また生き物が生息しやすい水辺環境にしていきたいという思いが委員の方々の中で高まっています。そのような水辺環境にしていくには、整備後の維持管理が重要になってくるだろうといった意見が話し合いの中で出されており、秋には整備後の取り組みや整備イメージを膨らませるために京都へ先進事例の視察に行ってきました。
 今年度末の芦田川整備基本構想策定に向けて、いよいよ大詰めになってきていますが、委員の方々とは最後まで積極的な話し合いを積み重ね、2年間皆で検討してきた考えがぎゅっと詰まった基本構想にしていきたいと思います。


顕微鏡コーナー

七夕祭りの様子

笹舟つくりコーナー

水質検査