アルパックニュースレター175号

景観を楽しむアプローチ:近況3題

執筆者;大阪事務所/絹原一寛・依藤光代


 「景観」をテーマとしたまちづくりは各地で広がりつつありますが、最近では「景観に関心のない人でも楽しめる、興味を持てるアプローチ」が求められているように思います。それに関連して、最近お手伝いしたプロジェクトを3つご紹介します。

景観まちづくり情報誌「あさいろ」

 ニュースレターVol.172でご紹介した朝来市の景観まちづくりのお手伝いの一環で、住民の方々に景観を知ってもらうための情報誌「あさいろ」の編集・制作に取り組みました。
 この情報誌は「普段の暮らしの中で垣間見える何気ない景観、その大切さに目を向けたい」というコンセプトで、暮らしの中にいろとりどりの豊かな景観があるという意味を込めて「あさいろ」という名前を付けました。
 住民の方々の目線を意識したいわば「普段着」の景観を写真で集めるとともに、地元でまちづくり活動をされている方にお話をうかがいました。デザインは、他のプロジェクトでもご一緒させて頂いているバード・デザインハウスにお願いし、できるだけ親しみやすく読みやすい紙面・デザインにして頂きました。
 次号も発刊予定ですが、今度は編集も地元の方と一緒に取り組んで、「あさいろ」をより身近で楽しく読める情報誌に育てていければと思っています。
 冊子は市役所で配布しているほか、市ホームページでも公開しています。(絹原)
http://www.city.asago.hyogo.jp/0000001726.html


景観まちづくり情報誌「あさいろ」

「篠山映像想いがたり」プロジェクト

 ニュースレターVol.171でご紹介した篠山映像想いがたりプロジェクト。篠山の本質を映像化しようという試みで、映像プロデューサーの奥村恵美子さんと一緒に取り組ませていただいた映像作品が、ついに完成しました。
 そして、奥村さんが主催する会「にっぽんの文化的アイデンティティを映像を通して発掘、発見、発信する会(JICP)」で映像の試写とトークイベントを主催され、私も参加させて頂き、さまざまなお立場の方と一緒に、完成した映像を題材に意見を交わしました。
 私が印象的だったのは、制作の過程で撮影者がカメラを回した映像、そしてそのやり取りから感じ取られたことが、とても深い本質へと迫る「生きたまちづくりの題材」だったことです。こういう映像集めを通じてまちづくりへとつなげる、そんなアプローチがあると、また違った切り口で楽しめるのではないか、と思いました。
 映像はYoutubeで公開しています。ぜひ、ご覧になって、感想をお寄せください。(絹原)
http://www.youtube.com/watch?v=avzMR6CB68E


「篠山映像想いがたり」ホームページ

「『景観人』の生き方×まちの魅力」インタビュー

 ちょっと硬いイメージのある「景観」を、「まちを魅力的にするために行動している人=『景観人』」に生き方や考え方を交えながら語ってもらうことで、市民にもっと身近に感じてもらおうという和歌山市での試みです。
 まちなかを元気づけるための数々のイベントを裏方で支える人、海や川が美しく見える場所に次々にカフェをつくっていく人。和歌山市には、まちの魅力づくりのために情熱を傾けている人がたくさんいます。その方々の姿勢や原動力になっているものなどの話を織り交ぜながら、お気に入りの風景や場所などについて記事にしています。
 「和歌山市の景観」ホームページで連載していきますので、お楽しみに!(依藤)
http://wakayamacitylandscape.wordpress.com/


「和歌山市の景観」ホームページ