アルパックニュースレター187号

6年間で100名以上の環境リーダーを輩出!-だいとうシニア環境大学

執筆者;地域産業イノベーショングループ 武藤健司

 大阪府大東市が大阪産業大学と連携して開催する「だいとうシニア環境大学」。シニア層(50歳以上)の市民を対象に、環境問題への理解を深め、地域で活躍する環境活動のリーダーを育成する年間の講座(全18回)です。平成20年度に開校し現在7年目。開校当初から、事務局として企画運営をサポートしています。


 

気分は大学生♪楽しく学べるカリキュラム

 市長から入学証書を受け取り、1年間の大学生活がスタートします。講座の受講に加えて、卒業要件(単位数)の設定やレポートの提出、大阪産業大学内の食堂や図書館の利用など、大学生気分で楽しく学べることが特徴です。
 例年10~20名の受講があり、ごみ、水質、里山保全…など、環境に関するさまざまな分野について、大阪産業大学の先生から学びます。フィールドワークにも重点を置いており、講座を重ねるごとに受講生どうしの距離が縮まります。卒業時は「期待以上に楽しく1年が早かった。これからもみんなで活動したい!」と、毎年決起集会のような場となります。

地域デビューの鍵を握る自主学習

 カリキュラムの後半に「自主学習」という講座を3回設けています。自主学習では、これまでの講座を踏まえ、ごみ減量や水質測定など、受講生がさらに深めたい分野や卒業後に取り組みたい活動を決め、事務局はそのサポートを行います。同じ思いを持つ受講生どうしがグループとなって取り組むことで、「おもしろい!」、「試しにやってみよう!」と議論が盛り上がります。
 受講生のみなさんは長年培って来られた経験やノウハウをお持ちなので、方向性が決まればすぐに具体化されていき、その活動的な様子には毎年驚かされます。結果として、卒業後に実践する環境活動の多くが、この自主学習から生まれています。

平成26年度のおおさか環境賞(準大賞)受賞!!年々拡がる卒業生の活動

 卒業生の活躍こそが、この事業の大きな成果となっています。平成21年3月に1期生が卒業し、これまでの卒業生は100名を超えました。1、2期生が中心となって立ち上げた「大東環境みどり会」は、卒業生限定の集まりであり、卒業生の多くが会員として“無理せず、楽しく”環境活動を実践しています。活動は、段ボールを使ったコンポストの普及、竹林整備や竹細工づくり、子ども向けの環境紙芝居など、会員数の増加とともに年々拡大しています。近年では、産官学民の連携による水質浄化実験など、新たな動きも出てきました。
 卒業生の活躍はもちろん、大阪産業大学の先生の温かいサポートをはじめ、市職員による日々のフォローなどにより、活動の輪が広がってきました。卒業生による活動は、少しずつ、そして着実に地域に浸透してきています。 ◆おおさか環境賞◆
他の模範となる豊かな環境づくりに向けた活動に取り組み、顕著な功績のあった個人・団体又は事業者を顕彰するもの。大阪府が平成9年に創設。


卒業生の活動