アルパックニュースレター187号
『おもろい商店街のなかのメチャオモロイみつや交流亭物語』

本表紙
本書の舞台である「三津屋商店街」は、阪急神戸線「神崎川駅」を最寄り駅とし、全長500m以上のアーケードがある商店街です。神崎川駅は普通電車しか止まらないので、関西に在住している人でも、あまり知らないかもしれません。梅田駅(大阪駅)から3駅目という交通至便な立地条件にありながらも、下町の雰囲気が残る住宅街の中に、その商店街はあります。
本書は、空き店舗を活用した交流スペース「みつや交流亭」を2007年に開設するまでのドラマと、その後に交流亭で繰り広げられる人間模様を描いたものです。
編著者は、1997年から兵庫県三田市の商店街で、関西学院大学ゼミの「まちづくり道場・ほんまちラボ」を開設された片寄先生。ほんまちラボは、大学のゼミが商店街をフィールドの場とした、商・大連携の画期的先進事例でした。そのような経験も活かし、片寄先生もキーパーソンの一人として関わっておられます。
近年、空き店舗を活用した交流施設の開設は珍しくなくなりましたが、この「みつや交流亭」の開設にあたって特徴的な点は、タウン誌「ザ・淀川」の創始者であり、初代編集長であった一人の女性の発想と、大阪市職員労働組合が「まちの現場で、市民と一緒にまちづくりの活動をしたい」という思いが合致して動き出したところにあります。そして、労働組合と商店街のコラボという、前代未聞の取り組みによって「みつや交流亭」がオープンし、その後は多様な人を巻き込んで、イベントや全国の商店街との連携などが展開されてきています。
さて、本書は全5話構成となっており、第1話のタイトルは、「みつや交流亭の昼間:おばちゃん、水!」。みつや交流亭の日常の様子が描かれたブログからの抜粋になっており、店に常駐する「おばちゃん」たちと、交流亭を利用する子どもたちとのやりとりが微笑ましく感じられます。この章を読むだけで、地域の子供たちにとって「みつや交流亭」が、大切な放課後の居場所となっていることがわかり、商店街の地域における役割を再認識させられます。
その他の章も、とても読みやすく、「みつや交流亭」を拠点に多くの人が関わってきたことがわかります。全国各地で商店街の活性化に取り組んでいる方、拠点づくりで悩んでいる方、人のつながりづくりで奮闘されている方には、この本の内容がヒントになることでしょう。ぜひ、ご一読されることをお薦めします。
なお、この本は、書店では手に入れることができませんので、
ホームページから購入するか、次のメールアドレスまで連絡してください。
ホームページ:http://mituyakouryutei.jimdo.com
メールアドレス:mituyakouryutei@yahoo.co.jp
(定価1,000円+税、送料込みで1,200円)
アルパックニュースレター187号・目次
ひと・まち・地域
- 地域から少子高齢化への対応を考える その7~高齢化イメージの概観/代表取締役社長 森脇宏
- 津波被害にそなえた取り組みについて/代表取締役副社長 堀口浩司
- 名古屋に2軒の店舗付き集合住宅が竣工しました/名古屋事務所 間瀬高歩
- 6年間で100名以上の環境リーダーを輩出!-だいとうシニア環境大学/地域産業イノベーショングループ 武藤健司







