レターズアルパック204号
「おいしさ」の正体は?
「おいしさ」の見える化で農産物をPRしよう
全国各地で農産物・加工品のブランド化競争が加熱しており、その商品の魅力や特徴をどう打ち出すか(差別化を図るか)がポイントになっています。
商品名、価格、量、パッケージなど、各地域とも工夫を凝らした商品を売り出していますが、食品である以上「おいしさ」が重要です。「おいしさ」を見える化できれば、説得力、発信力を高めることができます。「おいしさ」は個人の嗜好に強く影響されますが、客観的・総合的な視点でPRできないか、トマトやさつまいもなどのブランド化支援の一貫で、(一社)おいしさの科学研究所へ調査を委託し、「おいしさ」の分析・評価に取り組みました。
「おいしさ」は「味」「食感(テクスチャー)」「におい」から構成されます。「おいしさ」の分析・評価を官能評価と機器測定により実施しました。官能評価は、味覚の評価を専門とするパネラーによる、いわゆる食べ比べです。機器測定では、「先味」という食べればすぐに感じる「甘味」「酸味」「塩味」、「後味」というじんわりと後から感じる「苦味」「うま味」、これらの含有量やバランス、さらに食感を数値化します。
今回の分析結果により、「甘味」「味の濃さ」「香り」など、他の産地との違いが明らかになりました。現在、この結果を活かしたPRの方法を検討しています。
日本語には「おいしさ」を表現する言葉が約120あり、外国にはこれほどの表現はないようです。食の表現がこれだけ豊かなのは、日本人の食が多彩で感覚が繊細だからではないでしょうか。数値化はわかりやすい一方で、このような感覚を単純化させてしまう可能性もあると思います。数値化できないところが「隠し味」となって「おいしさ」を作っているのかもしれません。感覚的な自分なりの「おいしさ」を大切に、数値によるわかりやすさとのいい塩梅で、これからも商品のブランド化に取り組んでいきます。
※本業務は地域産業イノベーショングループ原田、武藤、片山で担当しています。
レターズアルパック204号・目次
特集「涼む」
- 特集「涼む」/レターズアルパック編集委員会
- 京の山紫水明を体感する鴨川納涼床/水谷省三
- ベトナムでの涼み方/堀口浩司
- 環境に負荷をかけず涼やかに暮らす~環境共生住宅「聴竹居」の魅力と我が家(賃貸)の断熱DIY/竹内和巳
今、こんな仕事をしています(業務紹介)
- 空き家だった八幡町家の新たな一歩がはじまります/松下藍子
- ベトナムの農業と食の販売(マーケット)を視察してきました/原田弘之
- 「おいしさ」の正体は?「おいしさ」の見える化で農産物をPRしよう/渡邊美穂
地域に寄り添って地方創生を考える
うまいもの通信
きんきょう&イベントのお知らせ
- 太秦をオシャレでエッジのたった街に「太秦light商會」/戸田幸典
- 学研都市37年~新しい都市づくりの主体/三輪泰司
- 奥河内くろまろの郷が道の駅になりました/鮒子田稔理
- 子育てしながら頑張ってます!/岡崎まり・依藤光代
- 計画行政学会研究大会「グローバル化の進展に伴う人と物の流れから関西の近未来を考える」が開催されました/丸井和彦








