レターズアルパック204号
学研都市37年~新しい都市づくりの主体
4月20日、午後2時から、けいはんなプラザにおいて、「けいはんな学研都市新たな都市創造会議」第1回総会が開催されました。この日は「学研アーカイブ」の作業日で、後藤邦夫先生と資料整理に大わらわでした。文献から重要な問題が浮かび上がってきました。
学研37年とは 地域活動の“火花”
今年は「学研都市30年」ということで、去る3月9日、大阪のグランフロントで記念シンポジウムが開催されました。1987年9月の建設促進法施行から数えると30年ですが、「奥田懇」設立の1979年9月からでは38年です。「重要な」というのは、地域の視座での“火花”は1980年9月21日です。37年前なのです。
創立5年の山城青年会議所が主催した「明るい豊かな地域づくりと関西学術研究都市構想・シンポジウム」です。「住民参加」のはじまりです。南山城を“ふるさと”とするバイタリティあふれる若者たちが立ち上がったのです。ニュートラルな立場の青年会議所主催でしたので、地元自治体は総上げで参加しました。爆発的に動き出しました。火花が「炎」となったのです。青年会議所は5年後、創立10周年にも行っています。
住民の地域活動 都市づくりの内発力
作業の行き帰り、学研都市を歩き回りました。研究施設は現在約130。続々と建って、用地が足りなくなっています。精華台の住宅地では僅かに残った区画で地鎮祭をやっていました。光台のグルメのお店がにぎわっていました。南稲八妻など旧集落にあってここにないのは社寺・墓地・お祭。
「新たな都市創造プラン」は、文化・学術研究の振興、イベーション推進とともに都市形成の観点を加えて十数項目の指標で、相互評価しつつ都市としての発展を目指しています。目標は、サイエンス&カルチャー・パークでしょうか。
地域の定住人口約25万というと中核市なみです。30余年、ここを生まれ故郷とする新世代が育っています。「外」からの投資を受け止め「内発」を主とするポイントに立っているというべきでしょう。
府県を超える高次広域計画・行政と交通事業者の協議体があるのでしょうか。東北の復興でもそうですが、「商店街」は、地域を牽引する担い手です。
キーパーソン 新たな都市創造のリーダー
震災復興でも、必ず、そこにはキーパーソンがいます。けいはんな学研都市は、統率力のあるりっぱなキーパーソンに恵まれています。山城青年会議所は市長・町長を輩出し、5周年シンポを主宰した坂本克也さんは、33年後、国際ロータリーの地区ガバナーを勤めました。いま、けいはんな学研都市のキーパーソン・ナンバーワンは、アルパックの杉原五郎会長でしょう。学位保持者で都市計画の技術士。都市計画コンサルタント協会理事、京都商工会議所議員・関西学研都市特別委員長、大阪中小企業家同友会副代表理事という社会的ポジション。なにより、地元木津川市の30年来の市民です。
30周年記念シンポの時、ミルクコーヒーを飲みながら、OBの霜田さんと語らいました。「われわれはでかいことやったのだなあ。でもしょせんはよそもの。次の世代はすごい。ふるさとのために、主人公になって都市づくりに熱中しているのだなあ」と。
レターズアルパック204号・目次
特集「涼む」
- 特集「涼む」/レターズアルパック編集委員会
- 京の山紫水明を体感する鴨川納涼床/水谷省三
- ベトナムでの涼み方/堀口浩司
- 環境に負荷をかけず涼やかに暮らす~環境共生住宅「聴竹居」の魅力と我が家(賃貸)の断熱DIY/竹内和巳
今、こんな仕事をしています(業務紹介)
- 空き家だった八幡町家の新たな一歩がはじまります/松下藍子
- ベトナムの農業と食の販売(マーケット)を視察してきました/原田弘之
- 「おいしさ」の正体は?「おいしさ」の見える化で農産物をPRしよう/渡邊美穂
地域に寄り添って地方創生を考える
うまいもの通信
きんきょう&イベントのお知らせ
- 太秦をオシャレでエッジのたった街に「太秦light商會」/戸田幸典
- 学研都市37年~新しい都市づくりの主体/三輪泰司
- 奥河内くろまろの郷が道の駅になりました/鮒子田稔理
- 子育てしながら頑張ってます!/岡崎まり・依藤光代
- 計画行政学会研究大会「グローバル化の進展に伴う人と物の流れから関西の近未来を考える」が開催されました/丸井和彦







