アルパックニュースレター191号
特集「昭和の風景を訪ねて」
昭和な酒場にGO!
梅田編「松葉」

立ち呑み串カツの店「松葉」
この4月にオープンしたばかりのルクアイーレやグランフロント大阪など最新の商業施設が建ち並ぶJR大阪駅の地上階から階段を下りると、そこにはディープな昭和の風景があります。ある意味大阪の象徴のような立ち呑み串カツの店「松葉」です。
串カツは人気の牛串1本100円から若どり1本160円など約15種類。注文して熱々揚げたてを食べるのが一番ですが、冷えてきたものは再度温め直してもらうこともできます。当然のことながらソースの二度づけは禁止。串を持つ手が油でべとべとになったら目の前に吊ってある濡れ布巾で手をふきます。最後に串の数(値段によって串の種類が違う)を数えてお勘定。ビールも飲んでお腹も満足して1人千円から2千円くらい。
混雑時には体を斜めにしないと入れないので昭和を代表するコーラスグループの名前からダークダックス・スタイルとも呼ばれました。
終戦直後から営業を続けてきたこの名物店が大阪市の地下道拡幅に伴い立ち退きを求められ、移転先の目処が立たないまま消えようとしています。(新梅田食堂街の本店は営業を続けます)
松葉がある「大阪駅前地下道」には終戦直後の混乱期には闇市が建ち並び路上生活者の寝床になっていました。闇市の解消や衛生面の観点から大阪市は飲食業者に「道路占用許可」を与え、以来毎年占用許可を更新しながら営業を続けて来ましたが、地下道の拡幅工事に伴い大阪市は平成26年10月以降の占用許可を打ち切られました。
4月中旬の時点で他のお店の多くは既に立ち退き、仮囲いで覆われていますが松葉は営業を続けており、次から次へとお客さんがのれんをくぐります。
この号が発行される頃にはもしかするとなくなっているかもしれません。事態を見守るしかありませんが、当たり前のようにあったまちかどの風景が失われるのは寂しい限りです。
◆松葉地下店
大阪市北区梅田3 大阪駅前地下街4号
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アルパックニュースレター191号・目次
特集「昭和の風景を訪ねて」
- 特集にあたって/ニュースレター編集委員会 坂井信行
- 昭和な酒場にGO!鶴橋編「よあけ食堂・海の家」/ニュースレター編集委員会 鮒子田稔理・塗師木伸介
- 昭和な酒場にGO!梅田編「松葉」/ニュースレター編集委員会 鮒子田稔理
- 昭和な酒場にGO!京都編「リド飲食街」/ニュースレター編集委員会 中村孝子
- 1970年 万国博覧会・21世紀の設計&アルパック/名誉会長 三輪泰司
ひと・まち・地域
- 茨木市北部エリアガイドブック「いばきた」を作成しました!/地域再生デザイングループ 岡崎まり・地域産業イノベーショングループ 片野直子
- 動き出した、ミナミ御堂筋沿道のまちづくり/都市・地域プランニンググループ 絹原一寛
新人紹介
- 「アルパックとの出会いはごみ調査で」/環境マネジメントグループ 伊藤栄俊
- 「新たな土地 京都にて」/地域産業イノベーショングループ 片山麻衣
- 「新しい領域で持続可能な地域のためにできることを」/地域再生デザイングループ 戸田幸典
- 「よろしくお願い致します」/建築プランニング・デザイングループ 塗師木伸介
- 「取り組みたいこと」/環境マネジメントグループ 樋口彩子
きんきょう
- 下北山村写真集「きなりの郷の暮らしから」が発行されました
/建築プランニング・デザイングループ 鮒子田稔理 - 暗闇の中の対話(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)を体験してきました
/地域再生デザイングループ 大河内雅司









