アルパックニュースレター191号

暗闇の中の対話(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)を体験してきました

執筆者;地域再生デザイングループ 大河内雅司

暗闇のエンターテイメント

 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は世界35カ国、130都市で開催されている“暗闇のエンターテイメント”です。参加者は完全に光を遮断した空間の中へグループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートを受けてさまざまな体験をします。国内では東京と大阪に会場があり、東京会場は所要時間90分、大人5,000円の国際的なプログラム、大阪会場は所要時間70分、大人3,500円で、積水ハウスがコラボしたプログラムとなっています。 グランフロント大阪の積水ハウス“住ムフムラボ”内に設けられた、大阪会場を体験レポートします。

暗闇では饒舌になる

 参加者は東京会場がよかったので大阪会場にも来たという、リピーターの女性と私の二人です。女性のアテンドから説明を受けた後、三人で暗闇の世界に入っていきました。
 直後は不安でいっぱいになりました。「目は口ほどにものを言う」は通用しない非日常の世界に放り込まれて、普段よりおしゃべりになって情報を得ることで安心しようとしたようです。後からアテンドに言われたのですが、初めは声がうわずっていたそうです。ネタバレになるので具体的な内容には触れませんが、体験を通じて気づかされたことをいくつか紹介します。

暗闇で呼び覚まされる感覚

 視覚が使えないからこそ、会話をする、手や足の裏で探る、臭いを嗅ぐ、味わう事に必死になります。アテンドのサポートが上手なので、安心感の中で普段使っていない感覚を呼び覚ますことができます。非日常の暗闇空間を上手に使って、コミュニケーションの大切さに気づかされるプログラムが用意されています。慣れてくると、声を聞くだけでその人との距離や姿勢、その人の気持ちまで分かるような気がしました。

気づきを求めて暗闇をまた体験してみたくなる

 暗闇のエキスパートであるアテンドから気づかされることも、数多くありました。お世話になった女性のアテンドは、ひとり暮らしで料理も自分でされており、「包丁で手を切ったり、やけどをしたりしませんか」と聞いたのですが、「見える人の方が意外と怪我をしやすい」と言われました。我々は、見えることが当たり前になっていて、大切なものが見えていない、見ようとしていないのかもしれません。
 このイベントは、大企業の人材研修や大学ゼミ、暗闇を活かした商品開発にも利用されており、貸切利用も可能になっています。リピーターが多いとのことで、エンターテイメントとしてよく練られていることが分かります。私も、次は東京会場の90分コースを体験したいなと思っています。「結構いい値段だけど、国際的なプログラムはどんな内容かな。どんな気づきがあるのかな」と期待しています。

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」ホームページ
http://www.dialoginthedark.com/


 

アルパックニュースレター191号・目次

2015年6月1日発行

特集「昭和の風景を訪ねて」

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