アルパックニュースレター191号

特集「昭和の風景を訪ねて」
昭和な酒場にGO!

執筆者;ニュースレター編集委員会 中村孝子

京都編「リド飲食街」

 ドラマ「孤独のグルメ」を見ているとグルメだけでなく昭和のいい感じの風景に出会います。最近ではドラマ「ワカコ酒」にはまり、その影響でお酒を嗜むようになりました。「ワカコ酒」とはグルメ漫画がドラマ化された作品で、仕事を終えた女子が一人酒場をさすらい美味しい肴で一杯やるという、いわば「孤独のグルメ」女性版です。聖地巡礼に行きたいのですが、なにぶん東京系ドラマなんで、なかなか行く機会がありません。なのでもっぱら近場の居酒屋街に訪れています。


開業50周年を迎えた京都タワーとリド飲食街

 さて、京都にも昭和の雰囲気が残るレトロな居酒屋街がいくつかあります。その一つ「リド飲食街」をご紹介しましょう。
 ここは京都の烏丸七条のほど近くに立地し、60年前からあるとのことです。狭い通路の両側に無国籍料理、ワインバー、ホルモン焼き、和食小料理、串カツなどカウンター席の居酒屋が10店舗、肩を寄せ合うように並んでいます。通路を何度も行き来し、どこに入ろうかかなり悩みます。ぼんやり灯る入り口の看板、入るのに勇気がいるタイル張りの共同トイレ、年季の入ったガラスの引き戸をがらがらとあけて入るのも風情があります。どこも店主が一人忙しく切り盛りされていて、カウンター越しに会話も弾みます。最近、開店されたお店もありますが、一番古いお店は、母子二代で55年前から営業されているそうです。客層は常連だけでなく京都駅から徒歩圏内なので観光客も多いようで、入り口の人気店はいつも満席状態です。気になる価格はどこもリーズナブルで、はしご酒も可能です。
 私のこの周辺の一番古い記憶は、子どもの頃、母に丸物百貨店(現在はヨドバシカメラになっています)の屋上遊園地につれていってもらい観覧車に乗ったことです。平成になると京都駅ビルをはじめホテルやデパート、家電量販店などの建設が進み、その変貌ぶりは目を見張るものがありました。開発から取り残されるような形で存在しているリドの空間は、バージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」を連想させます。この通路に一度足を踏み入れると、ゆったりした時間の流れを感じる独特の雰囲気が漂っています。昭和の世界にタイムスリップできるという時間旅行が楽しめるこの空間は、まさに昭和の遺産といえます。京都タワーと共に変わりゆくまちの姿を眺めてきたリド飲食街。これからも時代の流れに流されず、ずっと残って欲しいと思います。
 ちなみに京都にはこの他に「四富会館」、「折鶴会館」など昭和の世界にひとっ飛びできる居酒屋街ゾーンがあります。今週末も仕事帰りに「ぷしゅー※」しに行こうと思います。
※美味しいお酒を飲んだあとにでるワカコの決め台詞
◆リド飲食街
京都市下京区七条通烏丸西入ル東境町180


何度も行き来してしまう通路

裏側の入り口

 

 

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2015年6月1日発行

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