アルパックニュースレター191号
下北山村写真集「きなりの郷の暮らしから」が発行されました
前号で「下北春まな」をご紹介ましたが、奈良県下北山村は平成26年4月に、村政125周年をむかえ、その記念にふるさと写真集「きなりの郷の暮らしから」が発行されました。
下北山村を表す言葉「きなり」=「生成り」とは純粋、素朴、まざりけのないと言う意味で「本物のある村づくりを」という願いを込めた言葉です。
平成27年3月時点での村の人口は1,028人。高齢化率は約45%。全国で市町村合併が進む中であえて自立の道を選び、現実を直視しながら村民が互いに支え合って生きていこうという姿勢に感動すら覚えます。
今回写真集をつくるにあたり、村民や村の民族資料館からお借りした写真は約3,000枚。そして村の風景や人物など新たに撮影した写真は約1,500枚。計約4,500枚の写真データと村政要覧や村史を見比べながら、写真集の構成を考える日々が続きました。また、村長や職員の方から写真にまつわるお話を伺って、写真をピックアップし、さらに村民から写真についてのエピソードなどを聞くことができればと昨年11月の連休に行われた村の文化展の一画にふるさと写真集コーナーを設けさせていただきました。
文化展は毎年行われているもので、絵画や陶器など村民の作品が展示されていました。連休で且つお祭りも行われていることから帰省されたご家族も多かったようで、多くの方が訪れました。写真パネルを見入りながら昔話に花が咲く場面も見ることができ、写真に関するお話も聞くことができました。
下北山村には現在8つの集落があり、今回の写真集のために各集落の集合写真も撮影しました。
できるだけ屋外で村の風景を背景にして撮影したいと思いましたので、集合場所から少し移動していただいた集落もあり、高齢の方には負担もおかけしたかと思いますが良い写真を撮ることができました。
写真集はページごとに「まつり」「山のしごと」「学校」「ダム工事」といったように約30のテーマを設定しています。
いずれも下北山村の歴史や村民の生活から外せないテーマばかりです。
テーマの一つである池原ダムは、発電を目的としたアーチ式コンクリートダムでアーチ式としては国内最大の総貯水量と湛水面積を誇り最大35万キロワットの電力を生み出しています。ダム工事が行われた昭和30年代後半から昭和40年代にかけては工事で働く人が村の人口を増やし、娯楽の場も設けられました。その名残が全国でも珍しい村営ゴルフ場という形で残っており、村民のレクリエーションや健康づくりの場となっています。
できあがった写真集は各世帯や関係者へ配布されました。残部については販売はしませんが希望者には送料や事務費の実費で頒布される予定です。
村民や関係者の皆さまが村の歴史や文化や暮らし方を共有し、これからも共に歩む村の未来へつながる写真集であって欲しいと願っています。
発 行;下北山村
編 集;アルパック
デザイン;バードデザインハウス
撮 影;スタジオ北山山荘
![]() 表紙 |
![]() 文化展で写真についての思い出を語る村民 |
アルパックニュースレター191号・目次
特集「昭和の風景を訪ねて」
- 特集にあたって/ニュースレター編集委員会 坂井信行
- 昭和な酒場にGO!鶴橋編「よあけ食堂・海の家」/ニュースレター編集委員会 鮒子田稔理・塗師木伸介
- 昭和な酒場にGO!梅田編「松葉」/ニュースレター編集委員会 鮒子田稔理
- 昭和な酒場にGO!京都編「リド飲食街」/ニュースレター編集委員会 中村孝子
- 1970年 万国博覧会・21世紀の設計&アルパック/名誉会長 三輪泰司
ひと・まち・地域
- 茨木市北部エリアガイドブック「いばきた」を作成しました!/地域再生デザイングループ 岡崎まり・地域産業イノベーショングループ 片野直子
- 動き出した、ミナミ御堂筋沿道のまちづくり/都市・地域プランニンググループ 絹原一寛
新人紹介
- 「アルパックとの出会いはごみ調査で」/環境マネジメントグループ 伊藤栄俊
- 「新たな土地 京都にて」/地域産業イノベーショングループ 片山麻衣
- 「新しい領域で持続可能な地域のためにできることを」/地域再生デザイングループ 戸田幸典
- 「よろしくお願い致します」/建築プランニング・デザイングループ 塗師木伸介
- 「取り組みたいこと」/環境マネジメントグループ 樋口彩子
きんきょう
- 下北山村写真集「きなりの郷の暮らしから」が発行されました
/建築プランニング・デザイングループ 鮒子田稔理 - 暗闇の中の対話(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)を体験してきました
/地域再生デザイングループ 大河内雅司









