アルパックニュースレター160号

京都のまち並みの小さな変化~広告付きバス停が登場

執筆者;京都事務所 石川聡史

 ここ数年の間に、大阪駅周辺の街並みが大きく変わってきました。阪急百貨店の建替えや駅ビルの新築、北ヤード跡地開発など、以前とはまったく違う風景が広がりつつあります。今はまだ完成前で馴染みがないですが、いずれはきっと、見慣れた大阪の顔として定着していくことでしょう・・・と、ここまでは、スケールの大きな街並みの変化の話。
 一方、今回ご紹介するのは、それとは逆に、街並みに小さな変化を与えるもののお話です。
 ヨーロッパなどの街角にあるバスやLRTの停留所。そこにはモデルさんの写ったファッションか何かの大きな写真の広告が・・・。現地やテレビ、写真などで、皆さんも一度はそんな風景を見たことがあるんじゃないでしょうか。
 京都市でも、このような市バスの停留所に広告を設置する試みが今年度からスタートします。
 広告は屋根、ベンチつきのものを設置費用も含めて民間で負担。市にとって広告料は入らないものの、設置費用やメンテナンス費用の負担がなくなるというスキームです。
 デザインは、京都の地域性を意識したものとし、格子を用いた町家風で、ベンチ、屋根、風よけガラスなども設置。市内のバス停1,564か所のうち今年度は10か所、将来的には約400か所に設置するとのこと。
 観光客にとってはバス停でも京都らしさを感じてもらえ、市民にとってはベンチや屋根がある快適なバス停が実現、行政にとっては経費節減、企業にとっては広告効果が期待できる、という多方面にメリットが生じるビジネスモデルです。
 関西では、京都に先駆けて大阪や和歌山などで既にスタートしており、その他には、横浜、名古屋等にも設置され、広告もなかなかインパクトのあるものが設置されています。
 残念ながら、京都市ではこの原稿の執筆時点でまだ設置されていませんでしたが、今後、京都の街角の一風景として定着していくことになりそうです。


今年度設置予定の四条烏丸のバス停完成予想図

一足先に設置された大阪市のバス停

設置が予定される京都市の現在のバス停