レターズアルパック202号
いばきたを10倍楽しむ方法
執筆者;地域産業イノベーショングループ 高田剛司
追手門学院大学、大阪大学、立命館大学の3大学6チームにより、大学生の視点から「いばきた」の魅力と今後の地域づくりについて提案してもらいました。
「いばきた」(大阪府茨木市の北部地域)は、市街地から車で30分程度の距離にもかかわらず、都会の喧噪を離れ、自然が豊かでゆったりした時間の流れる地域です。しかし、ここも若い世代の流出や高齢化、人口の減少、農業の担い手不足、山林の荒廃など、全国の中山間地域と同じ課題を抱えています。
ところで、茨木市内には多くの大学が立地し、学生が学んでいます。2月の土曜日、学生6チームが集結し、各グループがフィールドワークした結果をもとに、今後の地域づくりの手法についてプレゼンし、地元の人たちと意見交換を行う報告会を開催しました。提案の中で印象的だったのは、写真をメインにしたSNSである「インスタグラム」が学生の行動において圧倒的市民権を得ていること。地域の魅力を発信するツールとして活用する提案が複数のチームから挙がっていました。その他、点在する施設やお店をつなぐ仕掛けづくりにイベント的要素を取り入れること、定住者だけでは難しい今後の地域づくりの担い手に外部の人による「準村人会」を作ることなど、住民と学生の間で活発な意見交換が行われました。
出席した地元の人のアンケートでは、「地元の者でも知らないところを調査してくれて、一度訪問してみようと思った」、「イベントプランを参考にしたい」、「インスタグラムはすぐにできるアイテムなので、やっていこうと思う」、「SNSの威力を再認識した」といった意見が寄せられ、地元の人たちも、また学生さんたちもお互いに刺激を受けた機会になったのではないかと思います。
課題は山積でも前を向いて「10倍楽しむ」という発想で、多くの人を巻き込んだ地域づくりを継続していくことが、未来へのヒントを見つける近道ではないかと感じた半日でした。
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レターズアルパック202号・目次
2017年3月1日発行
特集「願い」
- 特集「願い」/レターズアルパック編集委員会
- 復興への願いを込めて「強さとしなやかさ」を備えた地域づくりを目指して/中塚一
- まちの歴史や文化を次世代に引き継ぐことが地域の願いです。/嶋崎雅嘉
- 平成の氏子駈・氏子狩復活事業/三木健治
今、こんな仕事をしています(業務紹介)
- 富田林の「えびいも」ファンを増やしたい!Let's Everybody(エビバディ)!エビイモ!/片山麻衣
- 子ども建物たんけん隊~建物の魅力の気付きと発信~/増見康平
- 子どもたちはスマホといかに向き合うのか/坂井信行
- 「ワガヤネヤガワ・ベンチャービジネスコンテスト」グランプリ発表会が開催されました/江藤慎介
- いばきたを10 倍楽しむ方法/高田剛司
- 未来に繋ぐ「鉱山町に生きる誇り」/西村創
- 杉原千畝氏の顕彰施設に思う/安藤謙
地域に寄り添って地方創生を考える
きんきょう&イベントのお知らせ
- 3月~ 4 月実施の「地域づくりセミナー」-地域に寄り添う地方創生をめざして-を開催しています/畑中直樹
- はじめてのインド、はじめてのスリランカ~南インド経済事情視察で感じたこと~/杉原五郎
- 読者からのお便り/三輪泰司
- アルパック創立50 周年記念事業を開催します/森脇宏
- 受け継がれる国栖の翁の舞/樋口彩子









