レターズアルパック202号

杉原千畝氏の顕彰施設に思う

執筆者;名古屋事務所 安藤謙

杉原千畝氏は、皆さんご存知だと思いますが、「命のビザ」を発給し、約6000人のユダヤ人難民を救ったあの人です。

 杉原千畝氏は岐阜県八百津町に生まれ、人間形成の礎となる青少年期の約10年を名古屋市で過ごしました。
 愛知県では、この杉原氏の功績を顕彰する展示施設計画を検討し、当事務所がそのお手伝いしました。
 杉原氏は、現在の名古屋市の中区平和一丁目に居住していました。当時の古渡小学校(現平和小学校)の後、県立第五中学校(現瑞陵高校)に学び、早稲田大学へ進学、東京へ、世界へと活躍の場を広げていきます。
 現在の平和小学校校内には、卒業生である杉原千畝氏の生誕百年を記念した「ちうねチャイム」が設置されています。2本の曲線を持つモニュメント型のチャイムは、毎朝8時15分に鳴り、命の尊さ、思いやりの心、平和、愛を表現しています。
 第五中学校(現瑞陵高校)までの通学路4.5キロメートルは「杉原千畝人道の道」として指定され、昨年銘板が整備されました。
 作家江戸川乱歩の出身校でもる第五中学校校内には、イスラエルから寄贈された「オリーブの木」があるほか、杉原氏の資料も一部保管され、彼の学びの精神を学習教育に取り込んでいこうとしています。大正13年に建てられた県内最古の講堂感喜堂には、杉原・江戸川両氏のパネル展示があります。
 杉原氏生誕地の岐阜県には記念館や公園があり、ユダヤ人難民が上陸した福井県敦賀港では「人道の港ムゼウム」として施設型の展示を行っています。また、岐阜県を中心に「世界遺産へ」という声もあり、高山も含めイスラエル観光客誘致も進めています。
 愛知県・名古屋市は杉原氏の学びや人材育成面からその功績を顕彰・継承していこうとしています。今後、市民・県民による研究・継承活動へ拡大することを祈念します。


 人道の港敦賀ムゼウム(福井県敦賀港)

杉原千畝記念館(岐阜県八百津町)

人道の丘公園(岐阜県八百津町)

レターズアルパック202号・目次

2017年3月1日発行

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