レターズアルパック211号
八尾市「暮らし」を真ん中においた景観づくり
八尾市といえば・・・そう、河内音頭のふるさと、八尾空港、河内木綿など他にもすばらしい資源はあるのですが、観光地や繁華街があるわけでもなく、「普通のまち」を想像されると思います。
実際、生駒山系の麓にあり大阪都心にも近く、住宅・商業・工業がバランスの取れた住みやすい生活都市だと思います。そんな八尾市で「景観」と言われても、先述の資源は景観に直結しておらず、なかなかイメージできないがのが正直なところです。
八尾市は、市政70周年を迎える今年、中核市へ移行しました。これに合わせて景観行政団体となり、市独自の景観づくりの取組を始めています。大阪府景観計画の取組を踏まえつつ、市独自の景観形成基本計画と景観計画、そして景観ガイドライン、景観条例まで一貫した形で策定しました。私たちは、一連の景観行政の基盤づくりをお手伝いしました。

玉串川の桜並木
八尾市は住みやすい生活都市です。なので、景観づくりも人々の暮らしを真ん中において、「水と緑」、「生活の快適性」、「わがまちへの愛着と誇り」、「文化の継承発展」を基本に据えています。特に、大和川だけでなく玉串川や長瀬川といった暮らしに身近な水辺と川沿いのまちの一体的な景観づくりを重視しており、景観計画による規制・誘導とともに、ハード・ソフト両面からの景観づくりが推進されます。さらに、歴史ファンには名の通った「久宝寺寺内町」をはじめとする歴史的町並みについても、景観計画施行を契機に、これまで以上に重点的に取り組むべく、地域・行政・専門家がフラットな関係で本音で話し合う「セミナー」もスタートしています。
自分のまちへの熱い想いを持った人が集い、暮らしを真ん中において景観づくりに取り組む。景観計画に魂を吹き込む取組とも言えます。「普通のまち」で始まる「暮らし」を真ん中においた景観づくりに期待大です。

久宝寺寺内町の町並み
レターズアルパック211号・目次
特集「あらかじめ」
- 特集「あらかじめ」/レターズアルパック編集委員会
- 特集「あらかじめ」『災害に備える』を考える/清水紀行
- 特集「あらかじめ」確実に「起こる」気候変動に備える適応策/長沢弘樹
- 特集「あらかじめ」空き家を「負動産、地域の厄介もの」にしないための備え~空き家になる前から備えましょう/大河内雅司
- 特集「あらかじめ」老後の生活を「どこで」「どのように」「どんなコミュニティ」で過ごすのか、あらかじめイメージしよう/嶋崎雅嘉
今、こんな仕事をしています(業務紹介)
- 松の実児童クラブ「高砂子(たかさご)」/高坂憲治
- 「育てる広場」をみんなでつくっています/羽田拓也
- 「関西機械メーカー×同志社大学 プレゼン大会」を開催しました/高野隆嗣
- 奈良桜井の町宿「櫻林亭」がグランドオープン/和田裕介
- 八尾市「暮らし」を真ん中においた景観づくり/岡本壮平
- センシュアスなまちをめざそう/山崎将也







