レターズアルパック211号

日本建築学会の視察報告-岩手県大船渡市と山形県飯豊町を中心に-

執筆者;地域再生デザイングループ/朴延

 日本建築学会・農村計画委員会と韓国農村建築学会による研究交流会(以下、研究会)が、2000年から現在まで毎年行われています。私は14回目の韓国大邱(2015)、15回目の金沢(2016)、16回目の韓国茂朱(2017)、今年の17回目は東北の大船渡・飯豊の研究会に参加しています。日本建築学会側の事務局として毎年、資料の作成や通訳の業務を行っています。当研究会では両国の農村を持続可能な保全のために、両国のタイムリーな課題(過疎高齢化、人口減少、空家、環境、エネルギー問題など)から農村を中心とした日韓のフィールドを視察し、研究発表を行います。そこで日韓の農村の優れている点や問題などを比較・共有し、各地で実践的なまちづくりに繋げています。
 今年度の研究会の一つ目の視察地は、岩手県の大船渡市の被災地訪問でした。震災後7年間にわたり復興に取り組んでおり、景観や環境、新旧コミュニティを配慮して高台移転住宅地と再建住宅づくりについてお話を聴くことができました。また地域資源である杉を活かした木造の住田町役場に訪問し、韓国ではあまりみられない木造建築の役場をみることができ、両国の建築スタイルについて総合的に考える機会になりました。


岩手県大船渡市の被災地訪問

住田町役場

 二つ目の視察地は、山形県の飯豊町です。飯豊町は農をベースとした未来事業、また経済的自立を目標として今後に向けたバイオマス産業都市を計画中です。産業だけでなく、NPO法人「日本で最も美しい村」連合にも加盟しており、地域資源(田園散居集落・飯豊連峰の自然景観・里山景観)を活かして、住民が主体となってまちづくりを行っていることが特長です。
 今回の研究会を通じて、日本の大船渡の災害復興の底力と、飯豊町の地域資源を活かした住民によるまちづくりに感動しました。様々な研究領域の研究者(大学)・専門家(建築家)・地域住民・公共がバランスよく働いていること、さらに住民がまちづくりの主体であり、まちづくりに関する「自覚」と今後に向けた「自信」を持っていると感じました。


山形県飯豊町散居集落景観

レターズアルパック211号・目次

2018年9月発行

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