アルパックニュースレター167号

事業所のごみ排出実態を調査しました

執筆者;大阪事務所 武藤健司

 昨年11月から12月にかけて、大阪市内事業所のごみ排出実態を調査しました。
 調査は、約500事業所を対象としてごみ(事業系一般廃棄物)をサンプリングし、業種別に組成分析を行いました。
 調査では、調査対象事業所の下見や調査ごみのサンプリングのため、40日間ほど夜間に大阪市内全域を駆け回りました。事業所のごみ排出状況、分別・資源化状況等について紹介します。

排出状況

 事業所から出るごみの多くは、1日の事業活動が終わった夜に排出され、明け方までに回収されます。
 ごみは事業所の前や目立たない裏口、道路脇などのスペースに排出され、袋やダンボール箱に入れられ排出される場合もあれば、ポリバケツやコンテナに入れられ排出される場合もあります。大きな事業所などでは、鍵付きのごみ庫に排出されるなど、排出方法は事業所により様々です。

分別・資源化の状況

 日がかわる頃には、まちの至るところでパッカー車が見られごみが収集されます。収集は多くが1~2名体制で行われており、1名で収集している許可業者(一般廃棄物収集運搬業許可業者)も多く見られました。
 また、事業所によっては、資源化が可能なダンボールやびん・缶は分別して排出されます。分別された資源化物は、少量であれば、パッカー車の屋根付近等に設置されているコンテナ等で保管、収集されますが、資源化物が大量に排出される場合や許可業者によっては、資源化物のみを回収する車により収集されていました。
 しかし、資源化物が分別されずに排出されている事業所、資源化物はある程度まとまって排出されているが資源化物として収集されていない場合も多くありました。また、資源化物が少量のため分別せず排出された場合も多くありました。
 組成分析結果からみても、ダンボールや新聞などの古紙類、缶などの資源化物が多く含まれており、資源化の促進、ごみ減量の可能性はまだまだありそうです。

ipadを使った調査方法

 今回の調査方法で特徴的なことは、現地をまわる際に住宅地図を使用せず、調査対象事業所の位置やデータをipadに登録・マップ化して実施したことです。
 はじめて行く地域でもGPS機能により迷わず、確認した事業所のごみ排出状況等のデータをその場で入力し管理しました。サンプリングの実施にあたり事業所や許可業者との調整が大変でしたが、ipadで管理することで効率よく調査できました。

 今回、深夜に大阪市内全域を移動したことで、昼間とは違うひっそりとしたビジネス街や工場地域、明け方まで活気にあふれていた繁華街や卸売市場の様子など、夜のまちの状況や人の動きを知ることができました。また、調査を続けるうちに、事業所の業種や規模をみると、どこにどのくらいのごみが排出されるかが少しずつ分かるようになりました。この感覚を忘れず、今後もごみ減量等について検討していきたいと思います。


組成分析調査の様子

ipadの写真

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2011年5月1日発行

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