アルパックニュースレター169号

守山市でベンガラ塗りワークショップをしました

執筆者;京都事務所/三浦健史

滋賀県守山市は中山道の宿場町でした。今も中山道には趣のある建物が残っています。その中の一つに、第75代内閣総理大臣の故宇野宗佑氏の旧家があります。明治初期から造り酒屋だったため、酒蔵や米蔵もある大きな町家です。ここを守山市が整備して、新たに展示施設を中心とした複合施設にする工事を現在進めており、アルパックは設計と監理をしています。
さる8月20日に、『みんなでベンガラ塗りを体験しよう!』と題した市民参加のワークショップを行いました。改修で使う巾15cm長さ2mの杉板200枚にベンガラを塗ります。
塗料は、酸化鉄の顔料であるベンガラの赤い粉と、松を燃やした煤の松煙という黒い粉を荏油に入れて調合して作った茶色のものです。どれも自然材料で安全です。
刷毛で塗り、少しおいてからウェスで拭き取ります。拭き取ると杉のきれいな木目が出てきます。参加者が子どもから大人まで幅広かったために出来上がりにムラが出るのでは、と少し心配しましたが、全くの杞憂、ウェスで拭くからかどれも上手に出来上がりました。


ベンガラ、松煙と荏油

ウェスで拭き取り、この後乾かします

私も汗をかきかき塗りました。塗る感じは浸透系の自然塗料と似ていましたが、水の弾き方がすごくいいようです。伝統の素材が機能的に優れているということを体感し、これからも機会があれば使ってみたいと思いました。まずは自分の家で試してみたいですね。
皆さんに塗っていただいた板は天井の化粧板に使われて、来年完成予定です。出来上がりが楽しみです。


子どもたちも頑張ってくれました

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2011年9月1日発行

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