アルパックニュースレター179号

小阪商店街の「若手」商店主が中心になって「まちゼミ」をしました

執筆者;都市・地域プランニンググループ/依藤光代

 近鉄河内小阪駅の駅前にある、小阪商店街(小阪商店連合会)で、4月15日から一か月間、「まちゼミ」が開催されました。駅の南側の20店舗が参加しました。まちゼミは、商店街の各店舗が、希望者に対して無料でお店の特技を活かした講座をするもので、お店のことを知ってもらいファンになってもらおうというイベントです。
 中心になったのは、商店街の若手の商店主4人です。平均年齢37歳という若さで、全員が商店街生まれ、商店街育ち。「商店街でかくれんぼをして遊んだ仲」「近所のお店の人にかわいがってもらって育った」という、商店街にそれぞれ思い入れのある方々です。4人とも一時は会社勤めをされたそうですが、この10年くらいの間に店を継ぐためにそれぞれ戻ってこられました。
 お店で働き始めてから、「いつかは俺らが(商店街のイベントなどを)やるんやと思っていた」そうですが、ただ、なかなかその機会は見つけられませんでした。気になっていたのは、イベントをしても業種ごとに参加のしやすさに違いがあることでした。まちゼミは、業種に関係なくノウハウを存分に活かすことができ、また労力をあまり必要としないので、誰でも参加しやすいまさにぴったりの企画でした。
 今年1月にまちゼミの話が持ち上がり、若手役員が中心となって、3ヶ月間で一気に準備が進みました。各参加店へは、若い世代のネットワークを通じて呼びかけが行われ、30のオリジナルな講座が誕生しました。「残ったパンをおいしくリメイク!!」(パン屋さん)、「かんたんコラージュ手作りアルバム体験」(カメラ屋さん)、「愛犬の健康守れていますか?毎日健康チェック」(犬のトリミングサロン)、「?基礎から分かる【遺言】と【成年後見】」(司法書士事務所)など、それぞれのお店の特色の表れた、興味深い講座ばかりでした。新聞やラジオ番組でも取り上げられ、連日盛況となりました。
 参加したお店からは、「お客さんに直接触れることができて発見があった」「初めての取り組みだったので反省点もあるが、次回の開催時に活かしたい」など、前向きな感想が聞かれています。
 今回、参加店の方々はお互いに、スマートフォンのアプリ「ライン」を使って連絡を取り合いました。スピーディで密な連絡ができ、また深夜までやりとりで盛り上がり、一体感につながったそうです。
 次回の開催は、早ければ今秋の予定だそうです。若い世代の小阪商店街での取り組み、注目度大です!


パン屋さんでの講座の様子(残ったパンをおいしくリメイク!!)

アルパックニュースレター179号・目次

2013年6月1日発行

寄稿

ひと・まち・地域

きんきょう

うまいもの通信

メディア・ウォッチ

まちかど