アルパックニュースレター197号

「ママ起業」と子育て中の母親の生活満足について~職場復帰のご挨拶

執筆者;都市・地域プランニンググループ/依藤光代

 一年間の育児休暇をいただき、このたび職場復帰いたしました。弊社東京事務所に勤務しますので、関西でお世話になりましたみなさまとは当面のところお会いする機会がなかなかないかもしれませんが、今後ともよろしくお願い致します。
 実は休暇中に何度か引越しをしており、山梨県と東京都で子育てを経験しました。
 どちらの地域でも、子育て中のお母さんが起業する「ママ起業」が盛んで、ハンドメイド作家としてこども用の服などを手作りして販売したり、自宅にサロンを開いてエステなどをしたりと、特技を生かしてさまざまなことにチャレンジされています。こども・子育てや、美容、食、など、女性に関わりの深いテーマが中心です。ハンドメイドにしてもサービスにしても、おしゃれでオープンな雰囲気であり、子連れで気軽に参加したり関わっていけるのが特徴です。また、ママ起業家たちが何人も集まってブース出店する、「マルシェ」イベントも各地で開催されています。
気軽に出店できる場というだけでなく、地域のお母さんたちがこどもと一緒に訪れて楽しんだり、コミュニケーションを取ることができる貴重な場で、ネットワークづくりに役立つ機会にもなっています。
 「こどもは自分を映す鏡」「ママが笑顔だとこどもも笑顔になる」とは実際に子育て中のお母さんから聞いた言葉で、まずは自分自身が安定した気持ちを保とうと意識しているお母さんが多いと思います。家から出れば、主要な施設ではある程度バリアフリーに配慮されていて、こども連れでの移動に困ることは少ないですし、子育てに対して支援を受けられる「集いの場」なども、公共施設などで開催されています。
 しかし、そういう場が苦手だったり事情があったりして、アクセスできないお母さんたちも一定存在しており、なかには子育てをしながら孤独を感じている人もいます。その状態では、心の平穏を保つことは難しいですし、子育てを楽しむこともできません。昼も夜もなく、常にこどものために生きているお母さんには、「自分のため」に出かけられるワクワクする時間も必要です。そしてそこにはこども連れでも受け入れてもらえる環境が整っている、という状況が望まれます。
 ママ起業が生み出す場やコミュニケーションの機会は、そのための一つのきっかけになっており、いわば「ママたちの、ママたちによる、ママたち(そしてこどもたち)のための活動」であるととらえることもできるのではないでしょうか。
 平日の昼間に地域で行われている活動は、会社勤めをしているとあまり縁のないことなのですが、子育て中のお母さんたちにとっては日常の大部分であり、この時間を幸せに過ごせるかどうかは、子育て層の生活満足度にも影響する重要なことであると感じました。
 これからは、母親としての目線も取り入れながら、まちづくりに関わっていきたいと思っています。
 当面は時短勤務でして、従前とは働き方が変わりますが、ご理解とご協力のほどよろしくお願い致します。


山梨県でのママ向けイベントの様子

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2016年6月1日発行

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