レターズアルパック205号
純米吟醸「藤袴」はロマンの香り
執筆者;地域産業イノベーショングループ/原田弘之
2013年から関わってきた大原野地域ブランド戦略の策定と推進の一環として、今年の初夏に地元の酒米を使用したオリジナルブランドのお酒の発売にやっとこぎつけました。
場所は京都市西京区大原野。洛西ニュータウンの近郊で西山山麓に広がるのどかな田園地域です。紫式部の源氏物語にも登場し、平安時代には鷹狩りや花の宴など、貴族の行楽の地として親しまれてきた地です。そうした歴史と自然豊かな環境で、京都府限定生産の酒米「祝」を育て、京都伏見のキンシ正宗(株)と連携し、純米吟醸「藤袴」をつくりました。
草花の「藤袴」は、淡い紫色の花をつける秋の七草の一つですが、先の源氏物語の第三十帖の題名にもなっています。実は、1998年に大原野でその原種が発見され、それ以降、地元で大切に育てられてきました。そして、2014年からは毎年秋に「フジバカマ祭り」が開催され、2016年には「第1回京都 藤袴サミット」も開かれました。そうした地域の方々の想いの込もった名前なのです。秋には、香り豊かな藤袴の発するフェロモンに誘われて、渡りの蝶であるアサギマダラが北海道から飛来し、遠くは台湾や香港まで約2400キロメートルを飛んでいきます。そんな動きをするアサギマダラにのせて「藤袴」を広めていきたいと思います。
瓶のラベルデザインは、そんな想いを受けて、大原野に住むオーストラリア出身のデザイナーが形にしてくれました。「藤袴」の題字は大原野特産がタケノコであることもあり、地元の書道家が「竹筆」でしたためました。
今は数量限定販売の1680円(税込)/720ミリリットルです(高島屋洛西店などで販売)。「藤袴」の酒づくりオーナー制度も始めており、来年度から拡充の予定です。
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レターズアルパック205号・目次
2017年9月発行
特集「秋の夜」
- 特集「秋の夜」/レターズアルパック編集委員会
- 東京の夜景を気軽に愉しもう/山崎将也
- 博多の夜の風物詩「屋台」を楽しむ/九州事務所((株)よかネット):山崎裕行
- ちょっぴりミステリアスな銭湯ナイトツアー/中村孝子
- 大阪湾秋の風物詩「タチウオ釣り」/山部健介
- かの文豪も愛したカフェの過ごし方/長沢弘樹
今、こんな仕事をしています(業務紹介)
- 「えきまちテラス長浜」がグランドオープンしました/中塚一、馬場正哲、松尾高志、西村創、原田捻、三浦健史
- 純米吟醸「藤袴」はロマンの香り/原田弘之
- 和歌山市の歴史文化を活かしたまちづくりの機運が高まっています/松下藍子
- “ひまわりオイル”ד○○○”お気に入りの食べ方を見つけよう!/武藤健司
- さらなる進化をめざす京都市の景観政策/坂井信行
- 気候変動適応策 地域コンソーシアム事業がスタートしました/畑中直樹
地域に寄り添って地方創生を考える
きんきょう&イベントのお知らせ
- 「文化資産」を活かす/三輪泰司
- 長野市善光寺の空き家再生視察~他地域での空き家活用につなげるには/竹内和巳
- 「集落を復興する」ということはどういうことかを考える~新潟県長岡市山古志(やまこし)地域を視察して~/羽田拓也










