レターズアルパック205号
さらなる進化をめざす京都市の景観政策
執筆者;都市・地域プランニンググループ/坂井信行
大胆な高さ規制によるダウンゾーニングを含む京都市の新景観政策が実施されてから10年を迎えます。
これを記念して京都市では今年、政策の趣旨や成果を改めて確認し、今後の政策展開についての議論を深めていくため一連の記念事業が行われることになっています。去る9月10日、その第一弾の取り組みとして鷲田清一氏(京都市立芸術大学学長)、門内輝行氏(大阪芸術大学教授・京都大学名誉教授)、門川大作京都市長による特別鼎談が行われました。
鷲田先生の基調講演と門内先生の基調報告の後に始まった鼎談では、計画性と自然発生性あるいはユニバーサルなものとローカルなものといったジレンマの中で景観を考えるときにどのように折り合いをつけていくのかという哲学的な話から、コミュニティと景観の関係まで多岐にわたる話題で大変盛り上がりました。
京都は近年、国際的な観光地としての人気が特に高まり諸外国からの観光客も急増し、一部では市民生活に支障をきたす状況も見られるほどになりました。これは、景観政策の成果も要因の一端を担っていると考えて良いのではないでしょうか。こうした新景観政策の成果の功罪両面からの検証と今後の展開の方向について、どのような議論が展開されるのか楽しみです。
今後も連続講座やシンポジウム、検証レポートの作成などが予定されています。アルパックはこれら一連の事業をサポートさせていただいています。各方面から注目度の高い京都市の景観政策ですが、さらなる進化に向けて微力ながらお役に立てればと思います。
※本業務は、都市・地域プランニンググループの水谷省三と中井翔太も担当しています。

左から門川市長、鷲田氏、門内氏
レターズアルパック205号・目次
2017年9月発行
特集「秋の夜」
- 特集「秋の夜」/レターズアルパック編集委員会
- 東京の夜景を気軽に愉しもう/山崎将也
- 博多の夜の風物詩「屋台」を楽しむ/九州事務所((株)よかネット):山崎裕行
- ちょっぴりミステリアスな銭湯ナイトツアー/中村孝子
- 大阪湾秋の風物詩「タチウオ釣り」/山部健介
- かの文豪も愛したカフェの過ごし方/長沢弘樹
今、こんな仕事をしています(業務紹介)
- 「えきまちテラス長浜」がグランドオープンしました/中塚一、馬場正哲、松尾高志、西村創、原田捻、三浦健史
- 純米吟醸「藤袴」はロマンの香り/原田弘之
- 和歌山市の歴史文化を活かしたまちづくりの機運が高まっています/松下藍子
- “ひまわりオイル”ד○○○”お気に入りの食べ方を見つけよう!/武藤健司
- さらなる進化をめざす京都市の景観政策/坂井信行
- 気候変動適応策 地域コンソーシアム事業がスタートしました/畑中直樹
地域に寄り添って地方創生を考える
きんきょう&イベントのお知らせ
- 「文化資産」を活かす/三輪泰司
- 長野市善光寺の空き家再生視察~他地域での空き家活用につなげるには/竹内和巳
- 「集落を復興する」ということはどういうことかを考える~新潟県長岡市山古志(やまこし)地域を視察して~/羽田拓也







