アルパックニュースレター161号

専門学生と地域を掘り起こし~西区未来わがまち会議

執筆者;大阪事務所 清水紀行

 西区未来わがまち会議では、「わがまちビジョン」策定後、様々な地域活動に取り組んできました。しかし、メンバーの固定化やメンバー自身が多忙すぎると言った理由から、最近はなかなか積極的な活動が、出来ませんでした。
 そんな時、座長の「地元の運動会で協力して貰っている専門学校生に協力してもらわれへんかな?」という何気ない一言がきっかけで、「若者の視点から西区の魅力を掘り起こす」情報紙の作成が始まりました。

鉄道駅を中心に地域を斬る!

 今回、協力してくれたのは「ホスピタリティツーリズム専門学校大阪」の鉄道サービス科の学生です。
 西区には、大阪市営地下鉄(中央線、四ツ橋線、千日前線、長堀鶴見緑地線)、阪神なんば線が通っており、鉄道サービス科の学生にはご機嫌なフィールドでした。そこで、連合町会と地下鉄駅を起点に5つのエリア((1)西船場・江戸堀・靭(2)明治・広教・西六(3)堀江・高台・日吉(4)千代崎・本田・九条東(5)九条南・九条北)に分け、未来わがまち会議メンバーと学生がペアで、地域の魅力掘り起こしに取り組みました。


わがまち会議メンバーと共同作業

発表の様子

まちに暮らす人々の顔が見えるような情報誌づくり

 取材先は、未来わがまち会議メンバーの地域情報の事前レクを踏まえ、学生が興味を持ったネタを中心に決めました。
 そして、学生自ら地域に足を運び、地域で活動する人や暮らしている人と直接対話しながら取材をすることで、まちに住む人々の顔が見えるような情報紙づくりを意識しました。
 また、その取材活動を通じて地域の人々を巻き込んだまちづくりのきっかけになればという思いもありました。

地域の皆さんに感謝を込めて、公開発表会を開催

 10月~1月までの4ヶ月間という限られた時間でしたが、なんとか各班とも完成にこぎつけ、2月には公開発表会を開催しました。
 発表会には、取材に協力頂いた地域住民の方々をはじめ、西区長や新聞社など、平日の昼間にも関わらず50名程の方々が参加してくれました。
 大勢の前での発表に、緊張の面持ちの学生達でしたが、参加者の方々からの高評価に満面の笑顔を見せていました。
 区長からは「今後の西区のまちづくりの重要なツールとして活用したい」というお言葉を頂き、各地域1万部(計5万部)の印刷もその場で確約して頂きました。

最後に

 平成21年度は、「西区の魅力情報紙」という大きな成果をとりまとめた未来わがまち会議ですが、実はその成果と同時に幕を閉じることになりました。
 その理由は、前述したようにメンバーの固定化、多忙さなどが挙げられますが、一番大きかったのは「ビジョン策定後5年近くが経過し、一定の役割を終えたのではないか」という意見が多数を占めた点にあります。
 西区のわがまち会議の特徴は「地域の枠に捉われない」「予めミッションを設定しない」という点にあり、メンバーの話し合いの中でアイデアを出し、取組目標を設定するという“新しい形の交流の場”にあったと思います。
今回で、未来わがまち会議という場はなくなりましたが、メンバーの皆さんは西区に住み続けます。そして、地域をより良くしていきたいという思いが変わることもないでしょう。
 今後は、わがまち会議での経験を活かし、連合町会における地域活動のみならず、住んでいる地域の枠を超えた住民主体の活動展開を期待したいと思います。


新聞にも紹介されました (3/27 産経新聞朝刊)

西区の魅力情報紙

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2010年5月1日発行

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