アルパックニュースレター172号

「本格フレンチを気軽に楽しみたい」

執筆者;京都事務所 山崎博央

国道24号を奈良方面に南下し、山城大橋を東へ向かうと、川沿いに白いすっきりとした建物があります。
  本格フレンチのお店「レストラン庵樹」です。
  「レストラン庵樹」は社会福祉法人京都ライフサポート協会が運営する多機能型事業所「工房あんじゅ」の一事業として経営されているフランス料理のお店で、昨年5月にオープンしました。
  本格フレンチを提供してくれるのは、某有名料理店等での実績をもつ経験豊富なシェフとパティシエ。味の方も妥協は許しません。
  サラダなど料理に使われている野菜はすべて、ライフサポート協会の運営する施設の利用者のみなさんが作られたもので、無農薬有機栽培のもの。素材にもこだわっています。
  また工房「あんじゅ」では、レストランのほかにもパンやスイーツの製作販売も行っています。
  ホール係や洗い場、工房の各所に利用者の方が働いています。働くことにより地域社会とつながり、それを通じて感性が育まれるという、療育的な役割も果たしています。
  京都ライフサポート協会とは、かれこれ10年以上前に知的障害者入所施設(横手通り43番地「庵」本誌VOL.113)の設計以来のお付き合いです。
  「本格的なお料理とサービスで勝負する」というのは施設長の樋口さん。付加価値をつけることで商品価値をあげ、ちゃんとした収入を得て、ちゃんとした賃金を支払うことが大事。「一人ひとりが幸福を享受できる社会の実現」を理念に、そのための取組として今回の先駆的な事業に挑戦し、レストラン等の企業経営の側面と就労・療育の機能を融合させた新しい形の福祉を実現しようと取り組まれています。
  ディナーは要予約。ランチもなかなかの盛況ぶりということなので、予約をとる方がベターかも。
ぜひ一度ご賞味あれ。

レストラン庵樹

京都府綴喜郡井手町多賀東北河原2-13
0774-82-7800
http://www.life.or.jp/Anju/index.html


レストランへのアプローチ もちろんバリアフリーです。建物の設計は(株)莫設計同人(京都市)

ランチメニューはオードブル、スープ、メイン、パン、デザート、ドリンクのセットで¥1600~、
ディナーは¥3500~

アルパックニュースレター172号・目次

2012年3月1日発行

特集「まちづくりと城」

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