アルパックニュースレター177号

三重県の新しいお米「結びの神」が誕生!

執筆者;産業・地域経済イノベーショングループ/原田弘之・武藤健司

毎日どんなお米を食べていますか?

 毎日どんなお米を食べていますか?スーパーでの激安米、産地からのお取り寄せ、自分で生産?複数の種類のお米を料理によって使い分けたり、食べ分けたりする人もいるようです。品種も、コシヒカリ、キヌヒカリなどのメジャーな品種のほかに、北海道のゆめぴりかや、山形県のつや姫などのように、産地ブランド戦略を立てて、販売を強化しているものもあります。今年度、三重県のお米のブランド化に関わらせていただいた経験を報告します。


三重県の新品種「結びの神」を食べよう!

 昨年の10月20日、三重県内の量販店で、三重県が新たに開発したお米の販売が始まりました。名前は「結びの神」。由来は、食・社会・自然と人がもっとつながることに願いを込め、平成25年に、伊勢神宮が20年に一度の式年遷宮を迎える記念すべき時節に誕生することも重ねています。ネーミングは、数ある候補から、三重県、JA全農みえ、農家、市町などの関係者による投票と協議を重ねて決めました。
 三重県では、温暖化が進む中で、夏期の高温障害に対応するため、農業研究所で平成12年から新たな品種の開発に着手しました。そして、ヒノヒカリの血を引く良食味系統でいもち病にも強い品種と、キヌヒカリの血を引く早生の良質系統を掛け合わせ、今回の新品種が誕生しました。大粒で、コシヒカリと並ぶ良食味と言われており、私も食しましたが、甘みやあじわいがあるお米です。ぜひご賞味ください。通販で購入できます。
【JA全農みえのホームページ】
http://www.ja-town.com/shop/g/g4501-musubinokami/

選ばれた農家が工夫してつくるお米

 「結びの神」は、誰でもつくれるわけではなく、栽培したいと手を上げ、条件に合う県内農家がつくっています。品種も大切ですが、つくり方から品質管理をしていこうというものです。
 すなわち、苗の移植時期や施肥、栽培暦などの栽培基準を設定し、それに沿って責任を持って栽培できる農家を選定しているのです。
 もう一つの特徴は、単にお米をつくっているのではなく、米づくりの価値を高め、発信するために、各農家に周辺の地域資源を積極的に取り上げ、商品価値に反映するように勧めています。そのために、各農家には「米づくりPRシート」を書いてもらっています。水のおいしさ、生き物のこと、地域の物語のこと、施肥の方法の工夫などいろいろなメッセージが書かれています。
 平成24年産は、選定された農家20戸により、約120tを生産しました。これから年々拡大していく予定です。三重県の新しいお米「結びの神」に、どうぞご注目ください。

アルパックニュースレター177号(新年号)・目次

2013年1月1日発行

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