アルパックニュースレター177号

びわ湖の森を元気するkikitoの取り組み
~ニュースレター今号は“森林整備に貢献する紙”で発行~

執筆者;環境マネジメントグループ/中川貴美子・畑中直樹

びわ湖の森を元気にするkikitoの取り組み

 滋賀県湖東地域を中心に、びわ湖の森にたずさわる森林所有者、製材業者、木製品加工業者、家つくり団体、設計士、木質エネルギー事業者、市民団体、行政等が集まり、平成20年度より湖東地域材循環システム協議会(kikito)を設立しました。協議会では、森林整備につながる地域材の供給体制づくりやCO2吸収・固定認証制度の確立等、出来るだけ地域内でお金をまわすことを念頭にびわ湖の森を元気にする取り組みを進めています。今年度からは一般社団法人kikitoを設立し、活動の幅を広げています。
 アルパックも設立当初から協議会会員として参加し、監事や認証委員を務めています。ニュースレター本号にて、初めて「kikitoペーパー」が採用された記念に、kikitoの取り組みのひとつである「森林整備に貢献する紙製品の開発」についてご紹介いたします。


三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)を理念としたkikitoペーパーの仕組み(kikitoちらしより)

山主さん限定。売れない間伐材を買取る

 紙製品の原料は、市場に出しても値がつかない木や、間伐した後に山に放置してある木などを山主さんから直接kikitoが買い取っています。今年で6年目ですが、年々買取量は増え、今年の1回目では、彦根市、多賀町、東近江市の3地域から延べ20台のトラックで、計約60tが集まっています。これらの木は山主さんから6,000円/tで直接買い取った後、チップ工場へ運び、そこから製紙工場・文具メーカーを経て、紙製品となります。コピー用紙や印刷用紙等はクレジット配合を、フラットファイルは実配合されています。(クレジット配合:製紙工場への入荷量に応じて、製造する紙に間伐材が配合していると見なす、実配合:実際に配合されている)
 “山にお金を還そう”を合言葉に始まった活動ですが、山主さんは “お金”というより、“山が少しでもきれいになるのだったら”“息子へ山を教えるきっかけになれば”“kikitoのメンバーが今年も待っているので”・・・・など様々な思いとともに運んできてくださっているようです。


原木買い取りの様子

オリジナルロゴ

三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)の取り組み

 kikitoの取り組みは、近江商人の三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)を基本理念としています。「世間よし」は「社会貢献」そのものであり、kikitoの紙製品は、自治体や企業の環境貢献活動を応援する商品として、販売実績を伸ばしています。
 今回ご紹介した取り組みは、ほんの一部分です。kikito商品がamazon.comでも購入できるようになるなど、日々進化している取り組みについてHP(http://www.kikito.jp/)等もご覧いただけると幸いです。


kikito商品

kikito商品

アルパックニュースレター177号(新年号)・目次

2013年1月1日発行

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