レターズアルパック203号

向島城の痕跡をさがす

執筆者;地域再生デザイングループ 大河内雅司

みんなでつくった京都市の向島ニュータウンまちづくりビジョン。向島で新しいまちづくりが始まりました。

 昨年度、「向島ニュータウンまちづくりビジョン」の策定をお手伝いしました。住民や事業者、行政など、たくさんの人たちの参加によって、「暮らし心地を誇れる〝多文化・多世代共生〟のまち」を将来像に掲げて、新たなまちづくりがスタートしています。

まち歩きで新しい向島のイメージを発信しよう

 ビジョンづくりにおいて、歴史文化・多文化共生にかかる取組を提案したメンバーは、「向島城などの歴史資源は知られていない。まち歩きでそれらを掘り起こして新しい向島のイメージを発信しよう」と考えました。ブラタモリ(京都・伏見編、2016.5.7)や京都高低差崖会(向島城フィールドワーク、2014.12.12)でもこの地域が取り上げられており、来訪者が増えていることも追い風になりました。
 桜が開花してツバメが帰ってきた4月2日の日曜日、「向島城跡をめぐるまち歩き」の社会実験に17名が参加しました。

見所は近鉄京都線澱川橋梁、小倉堤、向島城など

 まち歩きのモデルルートは、京阪観月橋駅を起点に、豊後橋~近鉄京都線澱川橋梁~小倉堤~向島本丸跡といった歴史資源をめぐり、向島ニュータウンの桜並木でお花見~巨椋池の田園景観を楽しみ、野菜マルシェが開催されている種智院大学でゴールしました。
 見所のいくつかを紹介すると、近鉄京都線澱川橋梁は、国の登録有形文化財に指定された日本最長の鉄橋で、近代日本の産業遺構、戦争遺構と言われています。小倉堤は、秀吉が築かせた伏見と奈良を結ぶ街道堤防であり、古い民家や商家が残っています。向島城の本丸、二ノ丸、三の丸の推定場所では、「向島本丸町」、「二ノ丸町」といった地名が今でも使われており、島状に地形の高低差が発見できるなど、向島城の痕跡を確かめることができました。


 近鉄京都線澱川橋梁

まち歩きの一歩から始まる新たなまちづくり

 まち歩きを企画したメンバーは、ルートの見直しを行うとともに、助成金を活用してマップづくりを考えています。歴史資源を掘り起こすまち歩きからスタートして、農や自然環境、景観を楽しむツーリズムに育てていくことで、新しい向島のアピールをめざしています。小さなキックオフの一歩が、向島ニュータウンの新たなまちづくりの第一歩になりますように。
 ※アルパックは今年度も、ビジョン実現に向けた取組の立ち上げを応援します。


古い民家や商家が残る街道堤防周辺

向島城の痕跡と思われる高低差

向島城の痕跡と思われる高低差

レターズアルパック203号・目次

2017年5月1日発行

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