アルパックニュースレター195号

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

名誉会長・顧問/三輪泰司

 昨秋11月14日、パリの同時多発テロ。世界が震撼した132名もの犠牲者でした。フランスも現今の時代相の真っただ中にいるようです。しかし、永い目で見ますと、この国とパリを流れる潮流は、知的なエスプリだと思います。
 20年前になります。1996年京都東ロータリークラブの会長を務めました。クラブの創立40周年に当たっての記念事業を京都コンサートホールの杮落としに演奏したパリ管弦楽団の皆さんを法然院で邦楽・お華・お茶でおもてなしすることと、パリ国際大学都市の日本館への図書の寄贈と決めていました。
 前年の6月、ニースでの国際大会の帰途、家内と二人でパリへ寄り、国際大学都市の日本館に、小林茂館長を訪ねました。ところが、9月5日、フランスはムルロア環礁で核実験。南太平洋の国々が一斉に抗議。我が国でも「フランスと仲良くするのはいかがか」と疑問の声が上がりました。小林館長とお話しし「このような時こそ、正確な知識を」と、丁度被爆50年の年で再版された『写真集 原爆を見つめて』と日本原水爆被団協の『被爆者からの伝言』の2冊を寄贈図書に加えました。ロータリーの究極の目的は「国際理解と恒久平和」です。私たちの図書は、平和の武器でした。時の奥田幹生文部大臣、池田行彦外務大臣から、私たちの事業に感謝状を頂きました。
 国際大学都市は、パリの南14区、環状道路(昔の城壁跡)沿いにあります。37haの敷地に40ケ国の学生寮と、中央図書館、会議室、劇場、食堂、銀行、郵便局、温水プールなどがあり、約5000人の学生・研究者が学んでいます。第一次大戦後、ポアンカレ内閣のアンドレ・オノラ文部大臣の提案で、1925年にできました。 
 2011年12月、フランス総領事館は京都に移りました。元の関西日仏学館です。記念レセプションにお呼び頂いたのは、そのようないきさつからです。ドイツのゲーテ・インスティトゥートも京都にあります。文化センター、領事館そして大学都市が、文化庁移転へ確かな道筋ではないでしょうか。

アルパックニュースレター195号(新年号)・目次

2016年1月1日発行

新年の挨拶

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きんきょう

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まちかど