アルパックニュースレター195号

「東条川疏水ネットワーク博物館オープン記念シンポジウム」を開催しました

執筆者;環境マネジメントグループ/森野真子・中川貴美子

 兵庫県東播磨地域(加東市、小野市、三木市)で展開されている東条川疏水ネットワーク博物館構想の取組に関して、ニュースレター(第176号)では「聞き書きプロジェクト」をご紹介しました。平成23年度の構想策定時から本構想に基づく取組を継続して行っており、先日、3年間の取組成果発表と次なる展開に向けて記念シンポジウムを開催しましたのでご紹介します。

「東条川疏水の日」の制定

 第1部の記念式典では東条川疏水ネットワーク博物館会議の内田一徳名誉会長(神戸大学理事 副学長)と赤木正明会長(兵庫県北播磨県民局長)、安田正義副会長(加東市長)等と地域の子ども達によって、東条川疏水の主な水源である鴨川ダムの竣工日である11月23日を「東条川疏水の日」として制定し、東条川疏水を地域の財産として、地域の手で次世代のために水の恵みを活かしていくことが宣言されました。また、本地域は、その水の恵みを受けて栽培されている山田錦の主要産地であることから、お祝いとして東条川疏水ネットワーク博物館会議の構成メンバーである山田錦振興組合の協力を得て幹事会社4社(剣菱酒造(株)、白鶴酒造(株)、辰馬本家酒造(株)(白鹿)、月桂冠(株))から提供された酒樽の鏡割りや来場者への記念品ミニボトルの希望者へのプレゼントが行われました。
 さらに、功労・功績者表彰では、これまで聞き書きプロジェクトの語り手としてご協力いただいた方々や出前講座に継続的に取り組んでいる地域の小学校などが表彰されました。高校生や大学生が地域の古老にインタービューしてまとめた「聞き書きプロジェクト2012-2014作品集」がお披露目され、来場者に配布されました。


地域の子どもたち等による宣言

次なる展開に向けて

 第2部のシンポジウムは、文化庁文化審議会世界文化遺産特別委員会の委員としても活躍されている藤原惠洋教授(九州大学大学院)による記念講演「大地と疏水とアート創造~東条川疏水流域をつなぐ叡智を巡って」が行われ、地域資源としての東条川疏水の価値や重要性について分かりやすくお話しいただきました。パネルディスカッションでは、内田名誉会長からは北はりま田園空間博物館(平成11年度からの立ち上げを当社の畑中が総合支援)、いなみのため池ミュージアム、そして東条川疏水ネットワーク博物館の北播磨の3つの田園空間博物館の連携について提言がなされました。今後、地域間での連携も期待されます。

地域の資源に新たな価値を加えて次代に引き継ぐ

 今回のシンポジウムは主に地域の方を対象に開催し、約600名の方にご参加いただきました。紙芝居や水を送る仕組みの実験、アートワークショップなど地域の資源に新たな価値を見いだすための子ども向けのプログラムに笑顔で楽しく参加されている親子の様子から、地域において、今後も継続的に、資源の掘り起こしを行うとともに次の世代へつなげていく取組の大切さを再確認した一日でした。


神戸芸術工科大学によるアートワークショップ

地域の小学校の元先生による体験講座

アルパックニュースレター195号(新年号)・目次

2016年1月1日発行

新年の挨拶

ひと・まち・地域

きんきょう

うまいもの通信

まちかど