アルパックニュースレター173号

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都市鉱山発掘!
~名古屋市での小型家電都市型拠点回収の社会実験実施~

執筆者;大阪事務所 中川貴美子・山崎衛・畑中直樹 /名古屋事務所 植松陽子・中村康平・安藤謙

製作した回収ボックス

デジカメを解体。赤い付箋部分は レアメタルが多く含まれている箇所

いつのまにか、子どもも大人も夢中に

小型家電ディスプレイ部分

「レアメタル」という言葉を耳にされたことがあるでしょうか?携帯やゲーム機等の小型家電に含まれており、都市鉱山として脚光を浴びていますが、一部を除いてリサイクルされていません。そのため、現在、国では廃小型家電のリサイクル制度法制化を検討しています。今回、全国7モデル地域のひとつである名古屋市でどのように事業化すべきかを検証するために社会実験を実施しました。

全国初!?ディスプレイ付回収ボックスの製作

市民の方にまず「小型家電とは何か?」ということを認識いただくため、回収ボックスの上部には、投入してよいものを示すディスプレイスペースをもうけました。なお、製作は、京都の試作ネット(ニュースレター126号で紹介)にお願いしました。

使用済み小型家電解体ショーの実施

回収ボックスは、ホームセンター、家電店、ショッピングセンターにご協力いただき設置しました。また、来店客にボックスデザイン等に関するヒアリングを行 うとともに、小型家電回収の重要性を伝えるために“使用済み小型家電解体ショー”を行いました。どの部分にレアメタルがあるのかわかりやすいと好評で、 「解体してみたい!」と急遽参加される方もいました。調査では、拠点回収の必要性を再認識でき、ボックス上部の使用済み小型家電の解体ディスプレイも好評 価でした。一方で、回収ボックスの改善点について貴重なご意見もいただきました。

不燃ごみからの抜取調査実施

社会実験と並行し、家庭で不要になった小型家電が不燃ごみとして排出される量を把握するため、不燃ごみの中の小型家電を、手作業で抜き取り、82品目に選 別し、計数・計量を行いました。今回、3日間でのべ43名の調査員で収集車両約60台分(約60t)のごみを調べました。調査場所は粉塵が舞うため防塵マ スクや防塵ゴーグル等の装備が必須で、冬でしたが汗をかきながらの調査となりました。

あなたのまちでも置いてみませんか?

社会実験後、1店舗では継続して回収ボックスを設置していますが、全部で6個作成したうち残り5つのボックスは、現在当社に眠っています。
もし、わがまちでも試してみたいという方がいらっしゃいましたらお気軽にお声かけください。

アルパックニュースレター173号・目次

2012年5月1日発行

特集「進化・深化・多様化するワークショップ」

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