アルパックニュースレター173号

精華町総合計画策定の取り組み~対話が拓く、次代の時代~

執筆者;京都事務所 廣部出・大阪事務所 高田剛司


平成23年度から、精華町の第5次となる総合計画策定のお手伝いをしています。
今回の改定にあって重要視されているひとつが「新しい公」の担い手づくり。これについては今号のニュースレター特集6頁の通り、対話を重視した様々なチャレンジの下で取り組んできています。もうひとつが、町職員の世代交代への対応。「2007年問題」「2012年問題」と先送りにしてきた“団塊の世代の大量退職”もいよいよマッタナシとなって、地方自治体でも、世代交代と人的ネットワークの再構築が喫緊の課題となっています。また、第4次、第5次と改定を重ねる中では、総合計画づくりの最初の頃の熱い思いを継承する必要があります。そんななか精華町では、計画策定作業を通じて、次代を担う職員さんに有意義な経験をしてもらおうと、対話型の取り組みがいくつか企画されました。
ひとつは学識経験者等への聞き取り調査。これからの精華町の応援団となって頂くことも前提に、テーマごと、中堅職員を中心とする作業部会員・庁内事務局・アルパックで訪問チームを編成し、学識経験者の諸先生20余名のもとにお邪魔しました。まちづくり・学研都市・交通・農業・住環境・行財政・科学教育・地域福祉・住民活動など、広汎の分野から、先端の動きをはじめ、刺激に満ちたお話をお聞かせ頂くとともに、精華町の未来に向けて熱いエールを頂戴しました。これでスッカリ、職員さんも、今後、臆することなく、お伺いした先生のところにはご連絡できたりするわけです。
さて、もうひとつは庁内での対話、コンサルタントとの対話です。まず、基礎技術研修として、統計データの扱いや人口推計の考え方、アンケート調査についてなど、改めて、基本的な知識・技術をご紹介し、共有しました。それから、全7回に及ぶ政策研究。それぞれ、アルパックから専門領域に応じた担当者が話題を提供し、職員ワーキングの皆さんとグループ討議をする形式で進めました。第1回は、精華町の総合計画づくりの歴史を共有し引き継ぐための第一歩。アルパック社長杉原を話題提供者として、一緒にけいはんな学研都市と精華町の発展の歴史をたどります。第2~7回は各論。福祉・自治・農業・環境・子育て・学研都市の各テーマについて、精華町の課題とこれからを考え、意見交換しました。
行政の中でも、次の世代に人と人のつながりをつくり残していくためにできる第一歩は、直接の対話を促すこと。さきの「100人の集い」を含め、精華町では、今回の総合計画改定を契機として、これを全庁的に実践されているわけです。まだまだたっぷり残っている後半業務。さらなる対話を導きながら進みますから、きっと、よりよい計画づくり、精華町の未来を拓いていくことに結びつくはずです。

アルパックニュースレター173号・目次

2012年5月1日発行

特集「進化・深化・多様化するワークショップ」

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